似た人【高村光太郎】

2章-2 ページ9

「これ、僕に？嬉しいな...」
と島崎さんがケーキを前にして言った
よく分からないけど、喜んでるのかな？

「わぁ！お誕生日会ですか？ごんと僕も参加していい？」
と突然食堂の扉から新美くんが顔を出した

千尋さんは驚いた後に
「どうぞ！」
と笑って言った
すると新美くんは
「やったぁ！ごん、行こ！藤村さんのお隣！」
と椅子に座った

新美くんと島崎さんは同じ第三会派だったかな、と朧気な記憶を繋ぐ

「いただきます」
と島崎さんが言ったことで新美くんが早速手を出した
島崎さんはもう自分の分は取ったようで気にしていないけど、良いのかな

「美味しい....ねぇ、このケーキ誰が作ったの？」
と、モグモグと口を動かしたあと島崎さんが聞いた

「えっと、高村先生と宮沢線と私が作ったんです！」
と千尋さんはまた笑って答える

「そう....ねぇ、作ってる時どんな気持ちだった？」
と島崎さんが問えば千尋さんは苦笑いで答えている

そういう優しさが好きなんだなぁとまた智恵子を重ねてしまう僕は智恵子と千尋さん、どちらが好きなのだろう....

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