コード・ブルー -Best Partner- 1st (ページ2)

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No.01 ページ2

(冴島)

翔北救命センターにあと数分で着く。
私は患者さんがなるべく揺れないように支えながら、目の前に居るフライトドクター黒田先生と共にヘリに乗っていた。

そう言えば、今日からフライトドクター候補生、通称フェローがやってくる。
正直、私は何の期待もしてない。
フェローなんて所詮フライトドクターの子供以下の方が多いから。

「フェロー、今日からでしたっけ？」

「あぁ」

「確か5人って言ってましたけど、動けそうですか？」

「今までフェローが使えたことがあったか？」

「そうですね」

この会話だって、別に初めてじゃない。
私も今年も変わらずかなんて思っていたら、予想外な言葉が聞こえた。

「だが、一人だけ使える奴がいる」

「……え？」

「何故フェローとしてうちに来たのか、本当に謎の奴だがな」

そう、黒田先生は窓から空を見ながら言った。
こんな会話未だになかったと思う、それほどまでにその先生が良い腕を持ってるのかもしれない。
私は、少しだけその先生とのオペが楽しみになっていた。

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(田沢)

今日から翔北救命センターでフライトドクター候補生として働く。
更衣室で着替えて、IDを付けて身支度を鏡で確認してからPHSをポケットに入れて更衣室を出る。

前に働いてた場所では、心臓外科と救命の両方で経験を積ませてもらったから救命の流れとかはある程度わかってる。
流石にドクターヘリは無かったけど。

「お、君が謎のフェローさん？」

『謎かは分かりませんがフェローです、森本医師』

「やっぱり君だね、田沢A先生。フェローが全員集まったら始めるよ」

その言葉に、私は軽く頷く。
時間的には余裕を持ちすぎたのかもしれない、それにしても謎のフェローって嫌な名前を付けられたなぁ。

そう思っていた時、私の後ろから足音がしてフェローの人だろうかと思って後ろを振り向いた時。
私は思わず目を見開いた。

昔から変わらないオドオドしたのも、優等生のような雰囲気を持ってるのも、髪の毛が長めなのもあの日から変わってない。
唯一変わったのは私よりは少しだけ身長が高いぐらいだろうか？

そしてお互いに目が合って、私は彼女の名前を呼んだ。

『……めぐ！？』

「……A！？」

何年ぶりかに聞いた鈴を転がしたような声が耳にすーっと入ってくる。
高校2年で私が突然離れ、音信不通にしてしまった幼馴染が大人びて目の前に立っていた。