コード・ブルー -Best Partner 2- (ページ7)

今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:52,880 hit

No.54 ページ7

(白石)

冴島さんの言葉に私は少し考える。
どんな感じかぁー。幼馴染みだけど高校2年で離れちゃって、理由を聞いてもざっくりとしか聞かされてないんだよなぁ。
冴島さんなら話しても大丈夫…かな？

「うーん、Aとは幼馴染で毎日一緒にいたよ。それこそ本当に姉妹みたいに」

「ふふ、それは昔からなのね」

「多分そうだと思う、そうだなぁ…Aは運動神経が凄く良くて勉強も出来てたけど数学がダメダメだったかな。高校2年の途中で離れちゃったけど、Aに運動を私が数学をってお互いに教えあってたね」

「白石先生、運動苦手？」

冴島さんが意外だと思ったみたいで、凄く驚いてる。
運動自体は好きなんだけどね…。

「ううん、走るのは得意だよ。ただバスケットボールとか球技系はちょっと」

「その気持ちちょっと分かるかも、Aってバスケットボールが凄く得意だったのよね？」

「うん、私と同じ高校だったけどAはスポーツ推薦だったはず」

「スポーツ推薦！？」

「驚きだよね、中学高校でエース番号背負ってたよ。日本代表候補だって騒がれてたし」

「そうなんだ。あれ、でも今って…」

私は頷いて、冴島さんの隣で眠ってるAの頭を軽く撫でる。
あんなに好きで、ニコニコ笑いながらバスケットボールをやってたのに今となっては遠い記憶。

「バスケットボール辞めたみたい、大学までは選手として試合も出てたけど突然ね…」

高校2年で音信不通になってから、私が医学書などを買いに本屋さんに行く度にスポーツ雑誌に取り上げられてたAの表紙が並んでたのを覚えてる。
『現役医学部に通う女子バスケ界のエース』って騒がれてたから私も良く雑誌買ってた
辞めた理由を本人に聞いたけど、結局教えてくれなかった。

「…勿体ない気がする」

「私もそう思う、あんなに楽しそうに笑ってやってたのに…」

Aはいつも、私たちを頼ることは無い。
どれだけ辛くても泣きたくても、全てを自分の中で溜め込んでしまう。
それなのに顔に出さないで、私達には気付かせない。

「私って、そんなに頼りたいかなぁ」

「…白石先生」

「高校の時も突然転校しちゃって、電話も繋がらない、メールも返信はなくて私嫌われたのかなって思った。けど、ここに来て再会したら何にも変わってなかった。笑う顔も、溜め込む癖も隠すのが上手いのも変わってなかった」

私はAを親友だと思ってる。
けど、Aはそう思ってないのかも知れない。