コード・ブルー -Best Partner 2- (ページ2)

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No.49 ページ2

(桜井)

酸素マスクを取るほどの力は無いけど、残った僅かな力を使って翔北に繋げる。

『こち…ら……ドクター…ヘリ……』

《A…？どうしたの…？》

この声は恵かな……。
また心配かけちゃうや、きっと怒ってるだろうなぁ。
まさか、占いが当たりそうで怖くてヘリ担当変わったなんて言えないし。
てか、本当に占い当たったよ……。

『機内が…なにかによって汚染され…て、冴島…が…意識無く……灰谷は目眩…吐き気。桜井…は……「A先生……！！」』

《A！？》

もう少しだけ、持って。お願いだから……！
最後の力を振り絞って声を出す。

『除染の準備…を……』

《翔北CS了解》

藍沢の声だ。
これでとりあえず、向こうは大丈夫なはず。あとは、こっちで出来ることを。
あと少しだけ頑張れ、私。

『灰谷…先生……匂いとか…する…？』

「あ、甘い匂いが……」

『甘い……もしか…して……』

私はもう1度唇を強く噛んで、医療バッグから一つのものに手を伸ばして握りしめた。
でも、そこで私の身体は限界を迎えた。

─────────────────────
(白石)

Aからの無線で聞こえた機内の汚染、そしてあの子の息遣い。
聞く限り絶対あの子も危険な状態だった。

「白石、白石！」

「……あ、藍沢…先生…」

「除染の準備やるぞ」

藍沢先生に言われて、ハッとして私は急いで除染の準備を始めて、ヘリポートに行く。
ヘリが到着したと同時に口元を抑えながら出てきた灰谷先生にフェローの横峯先生と名取先生が向かおうとしたところを藍沢先生が止める。

「無闇に近づくな！医者が全員動けなくなるわけにはいかない！」

藍沢先生と一緒に私は防護服を着用してヘリのドアを開けると、そこには酸素マスクを付けて意識を失っている冴島さんと。

「A……！」

酸素マスクを付けていないAの倒れてる姿。
藍沢先生が冴島さんを抱き抱え、私がAを抱きかかえて除染する。
名取先生が藍沢先生の指示を聞き、急いで走っていくから多分毒物の判定をするためだと思う。

私は意識を失ってるAの身体を除染し、ストレッチャーで冴島さんと同じように運んで初療室に入れる。
灰谷先生は車椅子で酸素マスクを付けて中にいて、私はAの手を握りしめる。
視界に映るのはホワイトボードに書かれた、複数の毒物。

「…A……！」

ただ握りしめる事しか出来ない。
そこに緋山先生と藤川先生が駆け込んできた。