No.08 ページ9
(白石)
Aと少しじゃれていると緋山先生に冷ややかな目で見られ、私達は何事も無かったかのように手を離した。
でも、私は緋山先生が来てくれた事に少しだけ安心をしていた。
Aは大丈夫だなんて言ってるけど、目の前に広がる小さな幸せはAとってはタブー。
幼馴染の私だから知ってる事だけど、彼女には私たちが当たり前だと思っていたごく普通の日常を送れていなかった。
いつかこの話はAと話さなきゃなと思っていたけど、気づけば時はとうに過ぎていた。
どうしよう。どうすれば正解だろう。
そう考えていたらAと私の胸元にあるPHSが鳴ったので、取って通話ボタンをタップして耳に当てる。
《もしもし、白石？藤川だ。》
「もしもし？藤川先生どうしたの？」
《ドクターヘリ要請が来た。七夕祭りでの被害だから応援が必要だと思う、すぐ戻ってきてくれ》
「了解、すぐ戻るわ」
PHSを切って緋山先生とAの方に視線を向けると、既にAは走り出していて緋山先生は私の事を見ている。
私は一旦頷いて走りながら説明しようと思い、駆け出した。
「七夕祭りでの被害だって」
「今日のヘリ担って藤川と冴島、後はフェローだっけ？」
「うん。でも被害の大きさ的にA…桜井先生が走って向かったって事はフェローじゃないかも」
初療室につけば、既に橘先生が私の代わりに指示を出してくれていた。
本当に先輩ドクターがいてくれるのは有難いし心強い。
「橘先生！状況は？」
「白石か。今、藤川と冴島、桜井に先に現場へ向かってもらってる。あと藍沢が今脳外の急患でコンサル受けてる」
「わかりました。次のヘリで私と緋山先生、灰谷先生。タッチアンドゴーで名取先生と横峯先生、雪村さんが来て」
急いで医療用バックを持ち、現場から帰ってきたヘリに乗るためにヘリポートへと走った。
「白石！桜井は奥に行った！」
「分かった、後から来るフェローをお願い！」
現場について近くにいた藤川先生と冴島さんに後から来るフェロー達を任せ、私と緋山先生は被害が大きい奥へ走る。
「白石、私この二人の女性みるから」
「了解、後から来たフェローの誰かを向かわせる」
私は緋山先生にその場を任せ、更に奥へ進み山車の近くに倒れた女性を見つけ私はすぐに意識の確認を始めた。
「翔北救命センターに白石です、聞こえますか？聞こえたら右手を握ってください」
そういえば桜井先生を見てないけど。今どこにいるんだろ？
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Yuri - 更新、楽しみにしています！ (2018年8月2日 21時) (
レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - ☆ゆゆまる☆さん» ありがとうございます。すぐに確認し訂正させて頂きます。 (2018年5月27日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - みかさん» 返信遅くなりすみません。ありがとうございます、すぐに訂正します。 (2018年4月14日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
みか - No.１８で「行ってたの」が「言ってたの」になってますよ (2018年4月2日 13時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - 真衣さん» 感想ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚希拓海 | 作成日時：2018年3月20日 21時
