No.46 ページ47
(桜井)
修羅場になりかけたエレベーターが、目的の階に着いた事を知らせる。
新海先生の目的階だったらしく、恵に会釈してから私へと視線を向ける。
今度は何ですか！？
「桜井先生の想い人はちょっと訳アリっぽいですね、今度食事でもどうです？」
『…え？』
訳アリっぽいって。勘鋭すぎません…？
変に悟られないように、私は上っ面の笑顔だとバレないように笑って新海先生に返す。
『機会があれば、ぜひ』
「その言葉忘れないでくださいよ？」
そう言ってエレベーターから新海先生は降りていった。
完全にエレベーターが閉まった瞬間に私は大きく息を吐く。
『はぁぁぁ……』
「桜井、疲れるなら相手にしなければいい」
「A完全に演技してたね？最後の笑顔」
『そういうわけにも行かないでしょ、私の演技ってそんな分かる…？』
「んーん、逆に全く分からないよ」
『なら良かった。それより食事ねー、私は恵の料理じゃなきゃ煩い方なんだけど』
「……。」
「良かったな、白石」
「……Aのバカ」
『何で！？』
救命の階に着き、私達は降りる。
何故か恵はご機嫌斜めで私の手を引いて歩いて行く。んー、これはちょっと困った。
─────────────────────
(白石)
カンファレンス後に橘先生に呼ばれて向かえばヘリ担当をAと変わるという連絡。
今日は私と冴島さん、そしてフェローの灰谷先生だった。私は別に変わる分には構わないんだけど、急にどうしてだろう。
橘先生にもA本人から聞けって言われてから聞こうと思っていたけど、ホットラインが鳴って患者さんを処置してる途中だから聞くにも聞けない。
運ばれてきたのは渓流で足を滑らせて転落した男性、緒方博嗣さん。
ホットラインはいつ鳴るか分からない、だからAは普段とは違ってすぐにフライトへ行けるようにサポートに回ってる。
「……さ、さか…な…」
「魚？」
緒方さんが手を伸ばした先にあるのは白いクーラーボックス。
灰谷先生が気付いて中を開ければ、活きのいい魚が中で跳ね上がる。
「うわぁ！？」
「み、店の生簀に…早く…！」
『漢の中の漢だね〜』
「ちょっとタイプ」
Aは微笑みながらもAラインを取ってるから流石だなぁ。
てか、緋山先生ってこういう人がタイプなんだ。
そう思った次の瞬間、ホットラインが鳴り響く。
「はい、翔北救命センターです」
この時私は忘れていた。
Aが朝見ていた占いの結果を。
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Yuri - 更新、楽しみにしています！ (2018年8月2日 21時) (
レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - ☆ゆゆまる☆さん» ありがとうございます。すぐに確認し訂正させて頂きます。 (2018年5月27日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - みかさん» 返信遅くなりすみません。ありがとうございます、すぐに訂正します。 (2018年4月14日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
みか - No.１８で「行ってたの」が「言ってたの」になってますよ (2018年4月2日 13時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - 真衣さん» 感想ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚希拓海 | 作成日時：2018年3月20日 21時
