No.45 ページ46
(桜井)
黒いスクラブで脳外科なのは分かるんだけど、いったい誰なのかが分からない。
反応に困っているとエレベーターが来たから、とりあえず乗る。
『えっと……』
「あぁ、初めましてでしたね。脳外科の新海です、桜井先生の話はよく聞いてますよ。アメリカから戻ってきた天才医師だと」
『天才ではないですけど……初めまして、桜井Aです』
藍沢は何も言わずに、私が立つ斜め前で壁に寄りかかってる。
助けて欲しいんですけど……。
「あっさりピアノを取るっていうんですよ。死ぬって事を漠然としてるんだよなぁ、あのぐらいの子は」
そんな事ない。
奏ちゃんにとってはピアノだった、私ならバスケ、人によって違うけど新海先生だって医者としての命である手を失うって聞いたら絶対迷うから。
そう思っていた時、エレベーターが止まり誰かが乗ってくる。
入ってきたのは私を探していたらしい恵だ。
けど、乗る前に恵は目を泳がせてる。
脳外科のエースが2人と新海先生曰く、天才医師が一人のエレベーター。
うん、乗るには勇気がいるね。
「…お疲れ様です」
「お疲れ様です」
『あ、白石先生。探してたって藍沢から聞いたけどどうしたの？』
「え？私、探してないよ？」
え、どういう事？
私は藍沢へと目を向けると、無言で視線を逸らされる。よし、後で説明してもらおう。
恵は新海先生へ挨拶し、私の質問にはきょとんっと首を傾げながら私の隣に立つ。
「どうですか、藍沢は。救命で迷惑かけてません？特に桜井先生と白石先生にかけてそうで」
「口が悪くて少し困ってますけど、まぁそれは昔からなので。ね、A？」
『あはは…、まぁ言い方は別として言ってる事は間違ってませんから』
「何か藍沢と桜井先生って良く知った仲というか夫婦みたいですよね？」
その一言に恵と私が固まる。
夫婦みたい？誰が？私と藍沢が？
いやいや、有り得ないから。
『残念ながら違いますよ』
「それは少し安心しました、それとも別に想い人がいるんですか？」
初対面だよね？私と新海先生って。
疑いたくなるぐらいに積極的で、ちょっと怖くなる。
涼太くんは想い人に入るよね、亡くなってるけど…。
『…それっぽい人は』
「え…」
『え？』
「ちょっとA、私聞いてないよ？」
『うん、言ってないもん』
「今日聞くから」
『…え』
何で恵は怒ってるの。
藍沢は固まったままだし、新海先生もニヤニヤしてないで止めてくれません！？
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Yuri - 更新、楽しみにしています！ (2018年8月2日 21時) (
レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - ☆ゆゆまる☆さん» ありがとうございます。すぐに確認し訂正させて頂きます。 (2018年5月27日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - みかさん» 返信遅くなりすみません。ありがとうございます、すぐに訂正します。 (2018年4月14日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
みか - No.１８で「行ってたの」が「言ってたの」になってますよ (2018年4月2日 13時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - 真衣さん» 感想ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚希拓海 | 作成日時：2018年3月20日 21時
