No.02 ページ3
(桜井)
無事に翔北までタクシーに乗って着けたものの、本当ならキャリーバッグをホテルや新しい家に起きたいところなんだけど、そんな事すっかり頭から抜けていた。
お陰で住む家が無ければ、ホテルさえ無い。
馬鹿だな、私。
なんて数時間前の自分に心底呆れながらため息をつく。
外にいても仕方ないので一応正面から中に入って救命の医局に向かう。7年前までとは全く違って少し驚きつつも、何とか医局まで来れたが誰もいない。
さっき運ばれた以外にも患者がいたのかな？
そう思って初療室まで向かってみると案の定バタバタしている救命の皆の姿。
橘先生と恵を中心に、美帆ちゃん、藤川と懐かしのメンバーとフェローと思わしき3人のドクター。後ははるちゃんの後輩ナース。
多分、三井先生と藍沢、はるちゃんはさっきの患者さんの所だろう。
『………はは。なるほど、ね』
フェロー3人は正直言って本当に医者なのかと聞きたくなるほど動けてない。
はるちゃんの後輩ナースの子は動けてるけど、これじゃあ元々人手不足でギリギリなのに、産婦人科の勉強をしてた美帆ちゃんや脳外科の藍沢を戻さないと無理だ。
今だって現代っ子フェローちゃんがオロオロして、恵の視野を確保出来てない。
私は近くの椅子の傍にキャリーバッグを置いてコートを脱いで裾を折り、髪の毛を結び近くにあったゴム手袋を両手に付ける。
そして知り合いのナースの人と目が合えば驚いたけど、すぐに手術時に着る防護服を着せてくれる。
その時、隣を通った美帆ちゃんと藤川が見てはいけない物を見たと訴えるような目で私を見ながら患者さんを運んでいく。
私は目の前にいるフェローに悪い気をしつつも少しだけ押し出すとフェローの子は驚いて私の顔を見てくる。けど、こんな時まで気にしてられない。
血の海のとなってる患者さんの体内に手を伸ばし、恵の視野を確保出来るようにぐっと臓器を持つ。
「っ！？」
『恵、見えた？』
「見えた！そのまま！」
私は驚いて顔を上げた恵に目を見ながら言えば頷いて、すぐに処置を行う。
後で色々と大変な事になりそうだけど、今はこっちが先。
何とか遮断出来て出血は止まった。
「危なかった……」
『お疲れ様、ギリギリだったね。』
「うん……ってA！？」
橘先生も驚いてるし、戻ってきた美帆ちゃんや藤川。私が応急処置をした患者さんを見ていた三井先生とはるちゃんも固まってる。
藍沢は、まぁ。さっき会ったからね。
『あはは、久しぶり恵』
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Yuri - 更新、楽しみにしています！ (2018年8月2日 21時) (
レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - ☆ゆゆまる☆さん» ありがとうございます。すぐに確認し訂正させて頂きます。 (2018年5月27日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - みかさん» 返信遅くなりすみません。ありがとうございます、すぐに訂正します。 (2018年4月14日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
みか - No.１８で「行ってたの」が「言ってたの」になってますよ (2018年4月2日 13時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - 真衣さん» 感想ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚希拓海 | 作成日時：2018年3月20日 21時
