No.17 ページ18
(桜井)
分かった。と返事はした。
けど、これは私が一人で解決しなきゃいけない問題。めぐ達にはもう、7年前も迷惑かけた。
もうこれ以上は迷惑かけれない。
それでも私は笑顔を浮かべて、泣き出しそうな恵の背中を摩りながら落ち着かせてから医局へと戻った。
あんな風に私が走っていったからフェローの子達や雪村さんは戸惑ってたけど、同期の皆が何とかしてくれたらしく特に聞かれなかった。
そう言えば、まだちゃんとフェローの子達に挨拶してないや。
今しちゃおっかな。
『フェローの皆と雪村さん、ちょっといいかな？』
なんて、シニアドクターの私に呼ばれたら4人は驚いてる。
あ、変に不安がらせちゃったかも。
『えっと、別に暗い話じゃないから安心して？』
「A？どうしたの？」
『フェローの子達と雪村さんにちゃんと挨拶してなかったから、今しちゃおっかなーって』
「なるほどねー、ほんとAって変な所生真面目というか」
『美帆ちゃーん？私はいつでも真面目ですよ？』
「え、それは絶対ない。真面目っていうのは白石と冴島の事だから」
『酷いよ！？』
「あはは……A、後ろで待たせてるよ？」
恵に言われて集まってくれた皆の事を思い出して、美帆ちゃん達が気を利かして外に出てくれたのをきっかけに話を始めた。
『ごめんね、バタバタしてたから遅くなっちゃったんだけど改めて桜井Aです。よろしくね』
「名取颯馬です」
「灰谷です」
「横峯あかりでーす！」
「雪村双葉です」
『何か聞きたい事とかあったら気軽に聞いてね。ごめんね、突然呼び出しちゃって』
私がそう言うと皆揃って首を横に振る。仲良いのかな、この子達。
何だか昔の私達に似てる。
『それじゃあ戻ろっか』
私はそう切り出して廊下へと繋がる扉を開けた時、誰かに呼び止められた。
ドアを開けたままだから、目の前には待機しててくれた同期の皆の姿。
「桜井先生」
『どうしたの？名取先生』
藤川からはスマホばっかいじってるなんて聞いてたけど、私が話してる時とか見てる時は触ってないんだよなー。初日は触ってたけど…
「あの、桜井先生のお父さんって医者ですか？」
『……ぇ』
名取先生から予想外の言葉を聞いて思わず固まる。
何で今日はこんなにも嫌な事ばかり思い出すんだろう。ほんとついてない。
開けっ放しのドアの前では恵達の空気が変わっていくのが感じる。
『……そう、よ』
そう答えて私は医局を後にした。
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Yuri - 更新、楽しみにしています！ (2018年8月2日 21時) (
レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - ☆ゆゆまる☆さん» ありがとうございます。すぐに確認し訂正させて頂きます。 (2018年5月27日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - みかさん» 返信遅くなりすみません。ありがとうございます、すぐに訂正します。 (2018年4月14日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
みか - No.１８で「行ってたの」が「言ってたの」になってますよ (2018年4月2日 13時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - 真衣さん» 感想ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚希拓海 | 作成日時：2018年3月20日 21時
