No.12 ページ13
(桜井)
恵に言われて応急処置として止血はしたものの、血を流しすぎたのか少しクラクラする。
けど、それを恵に悟られたら終わりだ。医者として来たのに足を引っ張ってしまう。
壁と小屋に挟まっている男の子を上からアプローチする恵の補佐を隣でやりながら、レスキューに状況確認。
『レスキュー！後どれぐらいで救出できますか？』
「あと…30分はかかります！」
『30分……』
「対光反射が弱くなってる、Aは出来る状態じゃ……」
『……る』
「…え？」
恵が手を止めて私の方に視線を向ける。本当はこの一瞬でも勿体ない。
正直、血が足りなくてクラクラするし視界だってあんまり良くもない。
でも、やらなくちゃ。ここでやらなきゃ、これから先まだまだ楽しい事とか沢山ある未来をこの子は持ってるんだから。
力の入らない手を握しめる。
『やらなきゃ、この子を救おう。めぐ。』
「うん、分かってる！」
『何とか私が出来る範囲やってみる、その間に多分脳ヘルニアを起こしてると思うから……「分かってる、任せて」さっすが』
連絡は恵に任せて、私は恵のペンライトを受け取り処置を再開させる。
救出まで30分、ここで窃頭しないと間に合わない…けど私の今の状態じゃ逆に危険…
でも絶対助ける。必ず助けてみせる。
「っ！レベル低下！？」
『まずっ！』
やばい、一気にレベルが３桁まで下がってる。
男の子が手で握っていた短冊が落ちて、反応した私達はすぐに新たな処置へ。
「……お願い、繋がって…」
電話の相手は脳外の急患オペに入っていると聞いた同期の彼。
脳外のエースと呼ばれ、私のライバル的存在。
電話が繋がったのか恵は少しだけほっとしたような表情を浮かべたけど、すぐにいつもの格好良い顔に戻る。
ほんと、頼れるわ。
「すぐこっちに来るって」
『了解、私達は何としてでも藍沢が来るまでやろう』
私と恵は頷きあって私が男の子の様子を注意深く見続ける。
藍沢との電話を切って少し経つと小屋の中に入ってくる音がした。
「変わる、レベル低下してどれぐらい経った」
『5分ぐらい、多分脳ヘルニア』
「白石、冴島こっちに来れるか」
「待って、確認して見る《行けます》」
藍沢と恵が位置を交代し私はそのままサポート。
はるちゃんの声がシーバーから聞こえて、すぐはるちゃんは私達がいる所に来た。
「お前達がここにいてどうする」
「『え？』」
そんな予想外の言葉に私達2人は思わず固まった。
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Yuri - 更新、楽しみにしています！ (2018年8月2日 21時) (
レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - ☆ゆゆまる☆さん» ありがとうございます。すぐに確認し訂正させて頂きます。 (2018年5月27日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - みかさん» 返信遅くなりすみません。ありがとうございます、すぐに訂正します。 (2018年4月14日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
みか - No.１８で「行ってたの」が「言ってたの」になってますよ (2018年4月2日 13時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - 真衣さん» 感想ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚希拓海 | 作成日時：2018年3月20日 21時
