キミの存在価値。1 (ページ8)

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愛とはページ8

詩side

今が辛ければ、何か対策は出来るだろうけど、過去に振り回されてる場合はどうなるんだろう。

お医者さまでも、出来ないことだったらどうしよう...。

怖い。

結局お前が悪い、と。

泣く理由がわからない、と。

先生は、"あの人"のように言うのかな。

雅「詩ちゃん、今、1番何が辛い？」

1番、辛いこと...。

詩「...過去に振り回されること、です。友達と上手くいってないとか、いじめとか、今は何ともないのに、思い出して、怖くなっちゃって、何も信じられなくなって、、、ごめんなさい...。」

雅「大丈夫、大丈夫だよ。謝らなくていい。詩ちゃんは何も悪くないからね。乗り越える方法、僕らも考えたいな。

詩ちゃん、一緒に治療しない？もちろん詩ちゃんの気持ちと親御さんの許可も必要なんだけど。」

親...

こんなので辛いと思ってるなんて知られたら、家にいられない。

過保護かと思えば、自分が正しいという勘違いと八つ当たりで私を殴り、"一緒に暮らすのが苦痛だ"と言うあの人は、私を愛しているのだろうか。

怒鳴り散らした後の謎の優しさは愛なのだろうか。

高校生がいる家はみんなこうなのだろうか。

雅「あ、もしもし、翔にぃ？今さ、駅にいるんだけど、電車の中でしんどくなっちゃった女の子いてさ、これから連れてっていい？

あ、詩ちゃん、学校に電話出来る？電車の中でしんどくなって、手首怪我したので病院に行きますって。僕の方がいいかな？」

気づけば雅紀先生は誰かと電話していて、私は今から病院に連れて行かれるらしい。

半分嘘のことを自分で電話するなんて、と思ったけど、うちの先生達は疑い深くはないみたい。無事に隠し通した。

雅「詩ちゃん、あとしんどいことはない？過去のことだけ？迷惑じゃないし、これが僕らの仕事だから遠慮しなくていいからね。」

"あの人"のことを言ってもいいのかな。

もし、虐待だと言われたら。

警察に連絡する？

そしたら''あの人"の仕事はどうなる？

だめだ、まだ、言えない。

詩「えっと、まだ、話せないです...。ごめんなさい...。」

雅「そっかそっか、大丈夫だよ。一つずつ解決していこうね。」

先生はまた、眩しく笑って、私を優しく抱きしめた。

愛って何だろう。

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