キミの存在価値。1 (ページ5)

今日:35 hit、昨日:1 hit、合計:142,427 hit

出会い2 ページ5

詩side

詩「はぁ...。」

どうしたんだろう、私。

今日は、何だかわからないけど、とりあえずため息が止まらない。

疲れてる？そんな訳ないよ。まだ学校にも行ってないのに疲れる訳ない。

今日は家に帰ったら、数学のテストの解き直しと、古典の予習と、英語のリスニングと、楽譜の見直しと腹筋もやらなくちゃ。

電車に乗りながら、今日の予定を立てる。

え？

なにこれ、

なんか、きもちわるい...

ほぼ毎日乗ってるのに、今更になって、酔うなんてことある？乗り物酔いする体質じゃないから、この胸の気持ち悪さが何なのかわからない。

詩「はぁっ、はぁっ、」

息が、上手く入っていかない。

たくさんの視線を感じる。

怖い。

怖い。

どうすればいいの。

回らない頭でいくら考えてもダメみたい。

詩「はぁっ、はぁっ、助けて...っ。はぁっ、」

誰かが助けてくれることを期待してる訳じゃないけど、駅員さんに気づいて貰えたらいいな、なんて。

？「...ちょっとごめんなさい！大丈夫だよ、今助けてあげるからねー。気持ち悪くなっちゃったかなー？僕の声、聞こえるかな？聞こえたら僕の手握ってくれるー？」

朦朧とした意識の中で、座っている私と同じ目線までしゃがんだ男の人が、私の手を握る。

だれ...？