キミの存在価値。1 (ページ29)

今日:34 hit、昨日:1 hit、合計:142,426 hit

パニック3 ページ29

潤side

雅「本当に今日行くの？無理してない？」

和「大丈夫だってば。まーこそ大丈夫なの？」

雅「俺は大丈夫だよ？」

和「そう言って毎回倒れるのは誰でしたっけ？」

雅「あー…。はい、俺です…。

でも！今は本当に大丈夫なの！！ほら行こ！」

和「あ！ちょ、もぉ…。行ってきまーす。」

翔「今日は何時に帰って来れそう？絶対無理すんなよ？」

潤「あー、どうだろ。予約何人入ってたか忘れた。

翔にぃこそ無理しないでよ？本当に一人で大丈夫？」

翔「俺のことは気にしなくていいって。…けほっ」

潤「俺は翔にぃが心配で…！！」

智「あー、はいはい。おしまい。

二人ともお互いが心配なんだもんね？翔は二時間おきにメールするって約束したし、潤は俺と一緒に帰るって約束したから大丈夫。ね？あと聞きたいことは？」

翔潤「ない…。」

智「はい、じゃあおしまーい。ほら潤、行くよ？遅刻しちゃう。」

潤「あ…うん。…行ってきます、翔にぃ。」

翔「…行ってらっしゃい。」

あれから、お互いにお互いを心配して、何だか腫れ物を扱ってる感じの雰囲気。

気まずい訳でも、喧嘩した訳でもないんだけど、なんとなく居心地が良くない。

俺と和は気持ち的に落ち着いたんだけど、

翔にぃはまだ吐き気があるみたいだからものすごく心配。

まーにぃと智にぃはまだ大丈夫って言ってるけど、風山家の人間が言う"大丈夫"は信用できないからね。

こんなんじゃ、仕事に集中出来る訳ないや。

予約少なくてよかった、なんて珍しいことを考えながら、診察室5で書類の整理をしていた。

コンコン

潤「はーい。」

看「潤先生、今いいですか？」

潤「ん、いいけど…患者さん？」

患者さんの予約のリストは一応あるけど、患者さんの気持ちの安定次第で変わることもあるから、この前来てなかったのは誰だったかなと、パソコンのリストを開く。

看「はい。詩ちゃんなんですけど、なんだか様子が変だったので…。」

潤「詩ちゃん？どんな感じ？」

この前パニックになった後は割と大丈夫そうだったって翔にぃ言ってたけど、どのタイミングで思い出すかなんてわかんないもんなぁ。

看「待合室で声かけたんですけど、笑って大丈夫です、なんて言うので気になって。」

潤「そっか...。」

何か思い出しちゃったか。

パニックにならずに話が聞ければいいけど...。