キミの存在価値。1 (ページ27)

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パニック1 ページ27

詩side

ピコン

詩「ん？

…嘘、どうしよう……。」

夕食とお風呂を終えて、自室のベッドの上ででのんびりしていた。

LINEの画面には、"中学校○回生再会しようの会"の文字。

招待を断る訳にも行かず参加すると、学年主任の先生が異動するから、とのことだった。

会わなきゃいけない？

あの人達に？

あんなことがあったばかりなのに？

そんなの、絶対無理だ…。

詩「はぁっ、大丈夫、何でもない、はぁっ、大丈夫…」

言い聞かせてみると、何だか落ち着いてくるのを知った。

それでも不安定なのは変わりはないから、連絡してねって、携帯の連絡先のページには5人の先生の名前が新しく追加された。

親に通院してることを言ってないから、薬は渡せないんだって。

オーバーなんとか？

なんか、薬いっぱい飲んじゃうやつ。

それを防ぐためだって、智先生が教えてくれた。

でも、この前翔先生具合悪そうだったし…

他の先生も忙しいから帰る時会えなかったのかな？

こんなものはしょっちゅうあるし、自分で落ち着かせたし、まだ大丈夫だよね…？

コンコン

父「詩？

今週の土曜におばあちゃんの御墓参り行くから、予定入れないでね。」

詩「うん、わかった。」

もう一年経つんだ…。

父方のおばあちゃんは去年の冬に亡くなった。

小学校に入ってからは、ほとんど会わなかったはずなのに、お葬式でボロボロ泣いたのを覚えている。

詩「！？

え、、なん、で…」

手が震えてる…？

なんで…？

詩「！？

あの冷たさ…？」

金属の冷たさでもない。

氷の冷たさでもない。

亡くなった人特有の冷たさ。

何で、こんな時に…！

"ナオちゃんが声出なくなったの、詩ちゃんのせいだから"

"学級委員なら、らしいことしてよね。"

"おばあちゃんが死んだの、誰のせいだかわかってる？"

"ナオちゃんがあいつのこと好きなの知ってるよね？
流石、男好き。することが違うわ。"

昔クラスメイトに言われたことに混じって、変な声が聞こえる。

幻聴…？

こんなの言われたことない。

違う、私のせいじゃない！

やだ、

やめて…

寝て忘れようと、布団を頭から被って

ぎゅっと目をつぶった。

これが悪夢の始まりだとは知らずに。