第27話:危機 ページ31
『しゃお、ろんさ…ん』
声の聞こえた方に振り替えると、
あのニット帽にシャベルを背負ったシャオロンさんがいた。不安な状況で、知り合いに会えた安心感に自然と涙が落ちた。
sha「わっ、何やどうしたん！？取り敢えず落ち着け。何で実体化しとらんのや…」
『あ、の…これ』
血溜まりを指差す。
路地の奥に続く点々とした紅。
状況を簡潔に伝えた。
sha「…分かった。取り敢えずAは幽体のままでついて来るんや。何かあったら時間停止使って、すぐに逃げる」
ええな？と頭を撫でるシャオロンさんの目は、私に不安を与えないように優しかった。
不安を全て飲み込んで、応えるように頷いた。
「どこまで行ったんや、アイツ…」
顔をしかめて前方に視線を送るシャオロンさん。
少し歩くと、角を曲がった所でドサッという音。
「…！」
シャオロンさんが直ぐに反応し、
壁に体を寄せる。
口パクで、「見えるか？」と聞かれたので
そーっと覗く。
『……っ…！』
見えた。
お腹を押さえて、壁にもたれ掛かる大先生。
それを見て、拳銃を向けて笑う女の人…。
『シャオロンさん…っ』
sha「…能力発動。[不人気]」
え。
シャオロンさんが何かを呟いた後、
目の前から姿を消した。
気配がしない。
ガキンっ！！！
突如、後方…大先生達のいる方から金属音。
女の人が持っていた拳銃がない。
「っっ！何よ！！？」
慌てる女の人。
かと思えば、急に体が後ろにふっ飛んだ。
鈍い音と共に、女の人は壁に叩きつけられ
その場に崩れた。
ut「容赦…ないやん、」
sha「うっせぇよ。…解除」
シャオロンさんが何もないところから姿を現す。
これは、
『シャオロンさんの、能力？』
sha「…せや」
姿を消す、というか。
回りからの自分に対しての認識を薄くする。
私の幽体とはまた違う。
大先生をシャオロンさんが担いで
此方を振り返った。
sha「帰ってから言い訳はたっぷり聞くからな」
ut「うっへぇ、マジ…？」
弱々しく笑う大先生。
いつものヘラヘラした表情と打って変わり、
少し顔が青い。
『早く連れ帰らないと、』
パンッ。
乾いた音が一発響く。
驚くよりも前に
シャオロンさんか目の前で倒れる。
大先生を担いだまま。
sha「っう、くそ、が…」
「よくも、やってくれたわね…！」
ut「シャオちゃ、ん…！アイツβ国の強化兵や！」
sha「β国！？」
ut「っあかん、動けん…」
「死になさい！！！」
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Yuzu・Neko(プロフ) - ゼロさん» ありがとうございます。頑張りますねっ(｀・ω・´)☆ (2020年2月18日 7時) (
レス) id: 1898adb7ec (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - 柑橘系と猫さん» いえいえ、こちらこそ小説を楽しませてもらってますので！これからも、無理しない程度に更新頑張って下さい！！ (2020年2月18日 0時) (レス) id: f5adb14e6d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系と猫(プロフ) - ゼロさん» わ、本当です。気付きませんでした( ﾟﾛﾟ)!!わざわざありがとうございます、感謝です(* ´ ▽ ` *) (2020年2月17日 17時) (レス) id: 197a9d35a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - 細かいのですが、第9話の1番最後…「止まってだ」になってます…恐らく「止まってた」と書きたかったのではないでしょうか？ (2020年2月17日 10時) (レス) id: f5adb14e6d (このIDを非表示/違反報告)
Yuzuneko(プロフ) - マヨネーズさん» コメントありがとうございます！凄く嬉しいです。よっしゃ！頑張って続き書くぞ(●’∇’)♪ (2020年2月11日 7時) (レス) id: 197a9d35a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柑橘系と猫 | 作成日時：2020年2月7日 20時
