白ひげ海賊団の末っ子【ONEPIECE】

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Aが去った甲板に再び1人残されたおれは、なにも聞こえない夜の海を見ながら考えを巡らせていた



Aに本当に伝えたいことはなんなのか


どれだけ考えても答えが出ないのは酒が回っているからなのだろう


｢頭、Aとは話せたのか？｣



｢ベック…いや、全く｣



ベックがすぐ隣に来ても気づかないなんて今日のおれは本当にどうかしている



｢いつまでそんな態度を続けるつもりだ？｣



突然ぶつけられたその鋭い言葉にハッとする



｢Aがここで過ごせて良かったと言っていただろう？それが嘘だとでも思ってるのか？｣


｢…そんなことは無いさ｣



嘘だと思ったことは1度も無い。だが、心の底ではそれがお世辞だとか思っていたのではないか？



自分に問いかけても答えが返ってくることはない




｢今の頭は、Aと向き合うことを避けているだけだ。仮にもこの船の船長だろう？現実をみるんだな｣




｢…｣




あまりにも正論過ぎて、何も言い返せない



｢ヤソップ！ルゥ！！こんな所で寝てんじゃねぇ！部屋に戻れ！｣



すぐ後ろで怒鳴っているはずのベックの声がどこか凄く遠くのことに感じられた



｢逃げている…だけか｣



Aと話をしよう。出港は明後日だ。まだ時間はある



そう決意すると、さっきまでなにも聞こえなかったのが嘘のように船員たちのいびきがうるさく耳に届く




｢覚悟を決めましたよ。ロジャー船長｣




誰に向けたでもない決意の言葉を告げ踵を返す





既に1時を回っているし、Aは眠っているだろう
と思いながらAがいるはずの船室に向かった

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