夜月狐と魑魅魍魎の若頭 (ページ1)

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Episode 1 ページ1

"ほう…彼奴やっと産みよったのか"

"えぇ！それはもうたいそう麗しゅう娘らしいんだよ！"

"ははっ！そうかい。これは早く一目会って見たいものよなぁ。なんせ、彼奴の娘じゃからのう…これから楽しみで仕方ないわ"

❀ ╶ ╶ ╶ ╶ハジマリ ╶ ╶ ╶ ╶

月がよく輝く夜に私は産まれた。
産まれたのだが、私は"生前の記憶"とやらを持ち合わせて生まれたのである。
どうやら生前の私は20歳くらいの大学生だったらしい。あれ？これって赤ん坊生活リターンじゃね？とか思い、覗くのは一旦やめることにした。

まぁそんなこんなで、何故か私の目の前には吃驚する程の美人が私を抱き上げていた。

『おぎゃっ…？！』

やっばい変な声出た……

｢うむうむ。妾に似てなんと可愛らしいのじゃ…愛いのぅ…｣

"奥方様〜！！何処にいらっしゃるのですかーーっ！"

外からなんか聞こえる…

｢実に愛らしいのぅ…ふふふっ｣

"奥方様ーーーーーっっっ！！！！！！"

｢今日は月が綺麗な日じゃのぅ…｣

『んー、おんぎゃ！！！』

なんか外にいる人が可哀想に思えてきた…
返事してあげて((切実))

｢おや、お前もそう思うかいA？｣

『んぎゃ…「お、奥方様こんな所にいらしたのですね…お探ししましたぞ！！！！！！」……！？！？』

さっき呼んでた人が襖を開けたと思ったら、イケメンがいました。

｢うるさい、少し黙らぬか｣

「失礼致しましたっっ！！！奥方様が居なくなられたと報告をお受け致し…！？お、奥方様、そ、その腕の中の…」

｢この娘は妾の子じゃ、家を開けていた期間に生まれてのう。
しっかりと妾の血を受け継いておるぞ。｣

「……………な。(((ｶﾞﾀｯ)))
お前達ぃぃぃ！！！！！！！！！！！！！！奥方様がぁぁぁやや子を授かられていたぁぁぁぁ！！！！！！！｣

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ！！！！

｢だからうるさいと言っておるだろうが菊籬(きくり)！それと廊下を走るでない！！！
まったく…アイツも昔と変わらんのう。｣

『んん…』

お母さんの手が私の頭をゆっくり撫でた途端、眠気が遅い意識を落とそうとした時…

｢お前はきっと妾に負けぬくらい強い妖になりそうじゃ…｣

あやかし…？？？なんのこと…やら。