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ページ17

マサイside


Aから助けられ、隣にはシルク。

俺らはただただ何もできずに見上げていた。

檻に入ったAを。

俺らには見えない死神と話している。

でも、俺には手がはっきり見えていた。


「いつでも」


Aが言うと、死神の手がAの口に突っ込まれる。


「Aっ!!!」


俺は叫んでた。

Aの心が無くなる。

一面真っ黒な心。

天使の梯子だけが、俺らを照らしていた。

死神の手はAの喉を通過し、胸まで到達。

俺の目からは涙が溢れていた。

拭うこともできない。

死神は何かを掴むように手をぎゅっとさせた。

それを口から取り出す。

その瞬間、檻が壊れた。


「「A!!!!」」


落ちてくるAをみんなで受け止めた。

ゆっくりと目を開けるA。


「っ…A、?」

「……」

「うっ…ん、」

「マサイ…」


シルクは俺の背中を摩ってくれる。

Aの目には、光がなかった。

どうすれば。

Aを助けないと。

すると、黒かった死神が色づいた。


“どうもありがとう”


聞こえなかった声が聞こえるようになる。


「何感謝してんだよ!俺のAを返せよ!」

“へぇー?そんなに返して欲しいの?”

「なんだよ、自分に感情がなかっただけで!」

“っ…!”


死神がビクッと反応する。

そうだ。

やっとわかった。


「死神には愛がなかった。だから欲しかったんだろ?でも、他人の感情を奪ってまで手に入れるんじゃねぇ」


俺は持ってきておいた人数分の薔薇を両手で持つ。

あと、1枚。

Aのもとへ行き、声をかける。


「A、薔薇」

「…」


無言だったけれど、俯いている彼女はそっと花びらを俺に差し出した。


「ありがと」

「マサイ…?」

「ん、大丈夫だから」


不安な声で俺を呼ぶモトキ。

俺は笑顔で。

Aがしたなら、俺にもできる。


「愛とAの心を交換だ」

“…いいだろう”


俺は力を込めた。

花びらに集中して、祈る。

咲け。

○愛○→←○仲間の危機○



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せいら/うおたみん(プロフ) - 愛恋さん» 返信ありがとうございます!短編集!そちらも楽しみですがまずはこのお話の続きが楽しみです!!これからも応援してます^^ (2019年12月4日 0時) (レス) id: 7f727240ff (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - せいら/うおたみんさん» コメントありがとうございます!もしかしたらおまけみたいな感じで短編集で出すかもしれないです!楽しみにしててください^^* (2019年12月3日 7時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)
せいら/うおたみん(プロフ) - 次の小説楽しみです!R1○は私は入れてもらいたいですが(おい)どちらでもいいと思います! (2019年12月3日 4時) (レス) id: 2c14e8117c (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - 妖艶なる幻惑の魔術師さん» そう言っていただけて本当に嬉しいです!ありがとうございます。新しい小説は来年からになるかもしれないですが、楽しみにしててください^^* (2019年12月2日 23時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - 瑠奈さん» 短編集ですか!そうしてみます!ご意見ありがとうございます! (2019年12月2日 23時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ごはん。 x他3人 | 作成日時:2019年10月31日 23時

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