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みんなにお礼を言ってから、マサイさんに部屋まで送って貰った。

短い距離だからいいよって断ったけど、どうしても送りたいって言うから。


「ありがと、マサイ」

「お隣さんなんだから当然じゃん」


お隣さん、か。

触れ合う機会が多そう。

地元の田舎はそんなんじゃなかったなぁ。

挨拶もしないし、ただ近所ってだけ。

東京って凄い。

私は扉の鍵を開けて、玄関に入った。


「じゃあ、おやすみなさっ…!!」


耳元にマサイさんが近づいて、すぐに離れる。

顔は見れない。

扉が勝手に閉じた。

今、耳元でっ…!


「おやすみ、また明日」


そう聞こえた。

顔が見れたらどんなに幸せか。

声だけじゃ足りない。

触れ合うだけじゃ足りない。

いつかあなたの顔がみれるように頑張るから。

その時、私の心の中で何かが消えた。

今までよりずっと心が軽い。

ふわふわと浮くような感じ。

わかんないけど。

私は余ってるダンボールを片付けるために部屋に入った。



小さな木の棚にアルバムを入れる。

小学校や保育園のもの。

中学のはない。

ダンボールにはあと2つほどなにか入っていた。

出してみると、ひとつはお母さんの日記。

もうひとつは。



「…おばあちゃんの日記?」



なんでおばあちゃん?

でも中身が気になった。

私は最初のページから読んでみる。



7/7 Aが生まれた
可愛い孫が生まれた。お母さんに抱かれてとっても可愛らしい。鼻はお父さんに似てて、唇は娘みたいに薄い。目は透き通った黒色でとても綺麗。これから大切に育てないとね。


9/6 働く娘
いつも頑張って働いてる。家事も仕事も全部家でこなして、目にクマができてる。頑張り屋さんは休憩も大事よ。



それからはずっと楽しい日々が文字で綴られていた。

でも4年目の7/7を超えた時。


目を疑った。

。→←。



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ゆりりん(プロフ) - 愛恋さん» 楽しみですー! (2019年10月30日 7時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - ゆりりんさん» マジですか!ありがとうございます!続編では歌い手さんも出す予定なのでぜひ楽しみにしててください! (2019年10月30日 0時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - わたし、歌い手×Fischer'sが大好きで(笑)、すごい楽しく読ませてもらってます〜(*^^*) (2019年10月29日 23時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 愛恋さん» ありがとうございます(*T^T) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - ゆりりんさん» マジですか?!ありがとうございます!全然、いつでもコメントしてください! (2019年10月27日 17時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな x他3人 | 作成日時:2019年10月11日 18時

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