RED EYES -Fischer's- masai

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「じゃあ、曲はこっちで決めてもいいか？」

「あっ、はい、どぞ」


自分で決められないんだね…。

歌えない曲が回ってきたらどうすんの？

……いや、無理でしょ。

私は知ってる曲であるように祈った。


「じゃあ、この曲…えっ？！」

「ん？あっ…！」


油断して社長と目が合ってしまった。


「目の色が、変わるのかっ？！」

「えと…心と繋がってまして…」

「歌がうまかったらすぐ採用する」

「ほんとですか？！」


本気で歌お！

あっ、でも。

Fischer'sは？

ここにいたら止めるだろうか。

好きにすればいいって言うんだろうか。

マサイに会いたい。



「え…？」



今なんて？

“会いたい”？

この気持ちはなんなの。

頭の中がマサイでいっぱいになりそう。

私は頭を振った。

面接中!!集中、集中。


「よし、じゃあシャルル歌ってみろ」

「はい！」


音楽が流れて、私は歌い始めた。

ちょうど知ってる曲だったのでよかった。

歌をよくCDで聞いてたから嬉しい。

ノリで歌ってしまった。


曲が無事終わると、社長が大きな拍手をした。


「素晴らしい！これから磨けば君はもっと上達するだろう」

「それって…！」

「採用だ」

「ありがとうございます!!」


帰ったらFischer'sのみんなに話したいな。

帰ってるかわかんないけど。

部屋覗いてみよ。


その後、契約書を書いて事務所を出た。

ツイキャスを始めるように言われた。

スマホでか…。

これから色んな機材買わないとな。

楽しみで仕方なかった。

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