○トンネルの先○ ページ11
朝5時、用意していた荷物を持って玄関の鍵を閉めた。
左目は少し赤かったけど、きっと大丈夫だろう。
エレベーターで1階まで降りて、リストにしてある花畑を順番に巡る。
トンネルが近くにあるもので考えられるのは、3つ。
1つ目は、毎年夏に綺麗に咲く、ひまわり畑。
「東京にこんなのあるんだ…」
ビルだけだと思ってた。
…それはそれで東京に失礼だけどさ。
大都市のイメージってそんなもんでしょ?
マンションの近くにある公園のそばを歩いてると、誰かが雲梯をしていた。
ジャージには小さな文字で「Fischer's」と書かれている。
もしかして、と思って近づいてみる。
顔の部分だけ隠して髪型から見る。
あ。
「…シルク?」
「ん?…えっ、A?」
目を合わさないように近づいた。
気をかけてくれているのか横を向いてくれる。
「運動してるんだ」
「おう、今日は天気がよかったから」
「いいね、筋肉質」
「さんきゅ」
少しだけ触ってみようかななんて考えて、胸板に手が伸びたのを素早く引っ込める。
シルクは水を飲んでいた。
「Aはこんな朝早くに何すんの?」
「あーちょっと花畑に」
「今の時期咲いてる花あるか?」
「んー、ないよ」
「じゃあなんで…?」
こんなこと言えないなぁ。
早く離れたい思いで、歩きながら言った。
「ちょっと謎解きに」
「……んん?」
困った声が聞こえたけど、聞こえなかったフリをして歩き続けた。
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ゆりりん(プロフ) - 愛恋さん» 楽しみですー! (2019年10月30日 7時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - ゆりりんさん» マジですか!ありがとうございます!続編では歌い手さんも出す予定なのでぜひ楽しみにしててください! (2019年10月30日 0時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - わたし、歌い手×Fischer'sが大好きで(笑)、すごい楽しく読ませてもらってます〜(*^^*) (2019年10月29日 23時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 愛恋さん» ありがとうございます(*T^T) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - ゆりりんさん» マジですか?!ありがとうございます!全然、いつでもコメントしてください! (2019年10月27日 17時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな x他3人 | 作成日時:2019年10月11日 18時