男9割女1割 ( kj8 ) (ページ8)

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no.∞ ページ8

タッタッタッ

後ろから少し早足で人が歩いてくる音がする。

泣いてるの見られたくないし、
誰かもわからんから

俯いて少し早足にして更衣室までの道のりを歩く

「ちょっと待ってくださいよ～」

ぱっと腕を掴まれて思わずその場に立ち止まってしまう。

(……なにっ、)

まだ溢れている涙を掴まれていない方の手で拭いながら問いかける。

「そんな顔させてるの僕達ですよね。」

「ほんまにごめんな。」

困った狸みたいな顔をしてこちらを見つめながらそう話しかけて来たと思ったらふわりと抱きしめられる。

「僕ね、Aちゃんがほかのメンバーが帰ったあと1人で何時間も鏡の前で練習してるの知ってます。」

「こうやって、涙を流してるのも初めてじゃないってことも知ってる、」

「なのに、ごめんね。いつも声掛けられんくて。」

「僕は、Aちゃんと関ジャニ8とのメンバーとして頑張っていきたいって思ってるよ。」

「こんなに頑張って、傷ついて、耐えて。それでも辞めないで続けてるんだから、その姿見てたら僕ももっと頑張らなきゃって思えますし。」

「一緒に頑張りたいなぁなんて、図々しいかなぁ？」

背中をポンポンと優しく叩きながら話してくれていた。

そんな彼の顔を見てちゃんと話がしたくて上を見上げて目を合わせようとしてみる。

彼も同じことを考えていたのかすぐにばっと目が合って、みるみるさっきのタヌキ顔になっていく。

(丸山くん、ありがとうね。)

(ほんとにほんとにありがとう。)

(これからもよろしくお願いします。)

なんて柄にもなくニッコリとした笑顔で伝えてみれば、

「ふふふっ、あったりまえです！」

「ずっとずっと、一緒に頑張ります！」

そう言って先ほどより強くぎゅーっと抱き締めてくれた。