no.18 ページ20
二人っきりなった病室 。
さっきみたいに何も喋らずしんっとしずまった空間になる 。
2分 、3分 、5分 、とどんどん時間が経っていく 。
その時間はまるで何時間も経っているような気分だった。
「Aちゃん… 、」
「さっきも言ったけどほんまにごめんな 。」
「Aちゃんのことちゃんと支えてあげれるの僕だけやったのに。」
少し悔しそうな顔をしながらぎゅっと拳を握っている。
(ううん 、大丈夫だよ。)
(ありがとう。)
(私自分でも分からないうちに必要以上に焦っちゃってたみたい。)
(おうち帰っても何時間も踊って結局睡眠時間2時間とかだったりしてたし。)
(でも、これからはちゃんと練習も睡眠も怠らないから。体調管理も気をつけるから。)
(そんな顔させてるの私だよね。ごめん。)
丸ちゃんが追いかけてきて話しかけてくれたあの日。
丸ちゃんが私に言った言葉を言ってみた。
「……ホンマに困った娘や…」
はぁ…と呆れたように呟いて直ぐにいつものたぬきみたいな顔になってふわって笑った。
「まあ、でも、さっき章ちゃんも言ってたけど」
「頑張るのと無理するのは違いますからね？」
「これからは無理しないで一緒に頑張りましょ？」
「Aちゃんはすぐ無理するから、指切りしとかなあかんな。」
なんて言って小指をきゅって結んで
「指切りげんまん〜」って楽しそうに歌い出した。
「改めてよろしくな。」
ありがとう丸ちゃん。
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作者名：裕平 | 作成日時：2018年9月9日 10時
