no.11 ページ11
叩かれた頬がジンジンと痛む 。
それと同時に何故かすごく胸が苦しくなった。
(まる……ちゃん ？)
「何が大丈夫やねん！」
「周りに嘘ついて、自分にも嘘つくのはもう辞めろよ！」
「なぁ。ほんまに、なんでそんなんなるまで無理すんの？」
「やっと仲良くなっていろんなこと知って一緒に頑張ろって思ってたのに、」
「そんなに頼りない？」
「なんとか言えよ！」
穏やかで温厚な性格のまるちゃんがこんなにも感情を露わにして言葉を掛けてくれている。
私だって 、私も。一緒に頑張って行きたい。
助けて。って心の中で叫んでいる。
ただ。その言葉が鉛のように重くて自分から伝えることが出来ない。
代わりに出てくるのは
(まるちゃんになにがわかんの！！！？)
(女ってだけでも世間から叩かれて、いい目で見られないのに)
(メンバーからも要らんとか言われて、)
(でも、見返してやりたくて、メンバーとして認められたくて)
(必死に練習してもやっぱりみんなとは体力の差も表現力の差もあって、歌える歌の音域だって違う！！)
(ジャニーズのグループだから少しでも女消して男らしいグループにできるようにしなきゃって必死こいてやってんの！)
(私は、もっと頑張らなきゃいけないし、休んでる暇なんてない。)
(まるちゃんも疲れてるのに無理して私の練習に付き合わなくていいよ。)
(むしろ迷惑。一人で練習したいし。)
なんて言う馬鹿みたいな言葉、
「そんならもう好きにしたらええよ。」
「倒れても知らんからな。」
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作者名：裕平 | 作成日時：2018年9月9日 10時
