12.救出 ページ13
.
貴「どうしたの?」
僕が話しかけると、男の子はビクッと肩を揺らして振り向いた。
その目は恐怖で揺れている。
貴「あの子、君の子?木から降りられなくなったのね?」
?「えっと…そうです…少し目を離した隙に…」
貴「分かった。ちょっと預かってて。」
小狐「…ぬしさまは何を?」
男の子にこんのすけを預けて、木に手をかける。
大丈夫、木登りは昔から得意だ。
貴「よっと…」
小狐「ぬしさま!?危のうございます!」
手近な枝に手をかけて、体を持ち上げ、上へ上へと登って行く。
こんのすけが、まるで猿のようですね。とか言っていたけど気にしたら負けだと思った。
虎『みゃあ!』
子虎が僕に怯えて枝の先の方に行く。
貴「ちょっ…そっちは危ないんだってば…」
ミシミシと音を立てる枝。
枝に足を絡めてそっと手を伸ばす。
伸ばした手を引っかかれたが、気にしない。
そのまま首根っこを掴んだ。
途端に力を抜く子虎。
うん、素直でよろしい。
貴「よぉし、ちょっと待ってね。暴れてくれるなよ〜」
そろりそろりと木を降りた。
貴「はい、どうぞ。次からは気をつけるんだよ。」
男の子に子虎を渡して頭をそっと撫でる
?「あ、あの!…怒らないん…ですか…?」
貴「なんで君を怒らないといけないの?」
?「それは…迷惑を…かけましたし…」
貴「全然迷惑じゃないよ?じゃ、私は行くね。」
こんのすけを受け取って歩き始めると、小狐丸さんが付いてきた。
小狐「…木から落ちたらどうするおつもりだったのですか!」
貴「ごめんなさい。」
427人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佑菜(プロフ) - 五月七日さん» 応援ありがとうございます。話の続きを待たせてしまって申し訳ないです。 (2018年10月24日 12時) (レス) id: 4551e98c94 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 凄く面白いです!応援してます!更新待ってます! (2018年10月5日 20時) (レス) id: dbeede1e64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佑菜 | 作成日時:2017年4月23日 18時