大丈夫。〜SOS〜【すとぷり】2

48話 ページ18

仕事が終わり、それまで待っていたるぅとさんと帰り道を歩く。


『どうしてカフェへ？』

できるだけ気まずくならないようにそう聞いてみた。


る｢作詞に行きず待って、気分転換に歩いて、偶然入ったら優菜ちゃんがいた感じです！｣


『そうなんですね』


それからは会話もなく静かにシェアハウスを目指した。


やっぱり余計に気まずくならないようにする方が気まずくなる原因かもしれない。


そんなことを考えていたら家に着いていた。

いつもの事だけど...



━━━━━━━━━━━━━━━


『私はどうしたらいいんでしょう？』


るぅとさんはこれから発売される予定のCDの作詞作曲をしているらしい。


彼らは6人で｢すとぷり｣という歌い手らしく、｢すとすた｣というCDを作っているらしい。


そのお手伝いなんて私には務まらない。


る｢じゃあこの楽譜を見てちょっと弾いてみてください。｣


『分かりました...え？』


どういうこと？


『ギター弾けるなんて言いましたっけ？』

そう。私は言ってない。


る｢ころん先生から聞きました！｣


なんて悪意のない笑顔で言うもんだから


『そうですか。』


と愛想の悪い返事をして楽譜通りに弾いてみる


するとるぅとさんは目を閉じて何かを口ずさむ。


それからは何度もやり直し、試行錯誤を加え一緒につくりあげた。


でもその歌詞はどれも素敵なものばかりで綺麗で本当にあの人たちのことを思ったるぅとさんからのメッセージだと思った。


綺麗すぎて、私には眩しすぎて。


一生こんな歌を歌うことはしてはいけないような気がした。


私が好きな｢聞こえますか｣は莉犬さんが声優として歌った曲らしい。


｢あの夏が飽和する｣のcoverで聞いていた声。
あれはころんさんの歌声らしい。


｢乙女解剖｣あれはみんなで1日ずつ投稿した曲らしくて、いつも聞いていたのはるぅとさんのだった。


アイロニ。あれを歌った優しい歌声の持ち主はななもりさんで。


一騎当千。これもすごい好きな曲でこれを歌っていたのはさとみさん。


Always。これはジェルさんが作詞作曲したものらしい。


知らない間に私は彼らの曲を結構聞いていた。




本当に彼らは画面の前の存在なのだと今初めて真剣に考えさせられた。




今日はそれくらいであとはまた、いつもと同じように夜ご飯を食べ家事をしてねる。









それだけの1日だった。

49話→←47話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す