9話 ページ12
ずるずると落ちる米と袋。それを抱える地味子。
それを見て表現しがたい顔の周り。
助けようか否か迷ってる顔。
助けなくていいから、気にしないでよ。こっちを見ないで。
見られるのは好きじゃない。また、汚い。醜い。って思ってる。思われてる。
私だってこんな顔に生まれたかったわけじゃない。そもそもこんな世界に生まれたくなかった。
いつもならずっとこんなことを考えているのに今はそれどころでもないようで...
車が通る度に突っ込んでやりたい。死んでしまいたい。
できない自分が嫌い。周りの迷惑を考えているからできないのかそれともただの意気地無しか。
私は後者だ。
それにしても...重い...
あともう少し、そのくらいの距離まで来た。
やっぱり私はできる子だ。でもそれは誰も見てはいない。
過程なんて見てないのよ。...
とうとう家の前で一旦荷物を下ろしてドアを開けてまた荷物を持つ。
リビング前に行くと誰かがドアを開けた。
さとみさんだ。
さ「おかえり!ってやば!その荷物!やっぱり1人は辛いやんけ!米かして!!」
そう言って1番重いお米が腕の中から無くなり一気に手に痛みを感じた。
重たい袋を2袋抱えて持ち手が指にくい込みお米を持っていたせいで余計にくい込んでいて指から血が滲んでいた。
情けない。
隠し通すのも得意なはずだから...頑張れ。
『ありがとうございます!いやーやっぱり重いですねw』
ジェ「やっぱりやないわ!!ほんまにー」
『すみませんwそれキッチンに置いてもらっていいですか?』
さ「ほーい!」
『楽な服に着替えてきます!そしたら豪速球でお昼作るんで!ほんとにすみません!』
な「こっちこそごめんなぁ、先に色々と用意しとけばよかったんやけど...」
『いえ!大丈夫ですよ』
ほんとにその通りだわ。
部屋に戻り救急セットをとるまさかこんなに早く使うとは...
すると急にノックされるドア
誰...
『はい?』
?「あの、入れて貰えませんか?」
え?なぜ?まぁ、いいやと思い一旦救急セットを机の下に隠し似合わない萌え袖をしてドアを開ける
そして笑顔で聞いた
『なんですか?るぅとさん?』
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花優月(プロフ) - Riru さん» これから新学期または進級の時期だと思いますが良いものであることを祈っています。助けてという言葉が喉から出ず誰にも届かないのはとても虚しく辛いですよね。物理的に助けることが出来ず歯痒いです…。お話いつでも聞かせてくださいね (2023年3月23日 8時) (レス) id: 6d62355e34 (このIDを非表示/違反報告)
花優月(プロフ) - Riru さん» 逃げたことがない、助けて欲しいと言うことが出来ない人ほど逃げることって難しいと思います。どうか無理だけはせず、ここで吐いてもいいし、信頼出来る友達と共有するでもいい。いつでもお待ちしてます。学校で言えば相談室や保健室が私の頼りでした。 (2023年3月23日 8時) (レス) id: 6d62355e34 (このIDを非表示/違反報告)
花優月(プロフ) - Riru さん» 真ん中っ子はある意味都合のいい立場で困ってしまいますよね。家も学校も自分の居場所などないのだと感じる時が1番孤独に感じていました。Riruさんも同じような気持ちかなと勝手ながら感じました。逃げてもいいんだと私は読者様に教えて頂きました。 (2023年3月23日 8時) (レス) id: 6d62355e34 (このIDを非表示/違反報告)
Riru - 助けて欲しいなと度々思うのですが…誰にも言えないので…言わせていただきます… (2023年3月22日 20時) (レス) id: c6b2204192 (このIDを非表示/違反報告)
Riru - 分かります…。私もここで吐かせて頂くと、真ん中っ子な私は「妹だから我慢しなさい。」「お姉ちゃんなんだから虐めないで、我慢しなさい。」なんて理不尽なことを良く言われます。学校に居ても悪口の嵐で、それで逃げ出したくても逃げ出せなくて…もう嫌になります…。 (2023年3月22日 20時) (レス) @page10 id: c6b2204192 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花優月 | 作成日時:2019年3月25日 3時