人間買いました。2

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父｢やはり花蝶風月というのはつまらぬ生き物だ。｣






『どういう意味で？』







父｢花蝶風月とは、人間に情を持ちすぎる。それこそ哀れな属だ。｣









『ふっ、それはご自分に重ねてるおつもりで？』









お父様の言い分は私にもわかる。








花蝶風月というのは人間に情を持ってしまう。









花蝶風月の両親はどちらかが元・花蝶風月である。









私のお父様だって元・花蝶風月だった。そして人間と結ばれてしまった。私のお母様。









お父様も馬鹿な生き物。人間と結ばれるが故に置いてかれてしまった哀れな人。









私はお父様の血が濃いせいか半吸血鬼にはならず完全な吸血鬼として生まれ花蝶風月の座に着いた。









父｢自分に重ねるなどくだらない。私はもう、良いのだ｣







お父様は置いていかれる商品を自分と重ねた。






そして先置いていく売主をお母様と重ねた。









お父様自身自分を哀れみ嘲笑っていたのだ。








それこそつまらぬ生き物だ









『もう、お辞めになるのですか？つまらぬ再現劇を』









皮肉を込めてお父様に告げる。









『置いていかれてもなお忘れられないなんて哀れな生き物ですね。』









本当に...。私はお父様に似てしまったのかもしれない。








そういった生意気な娘にお父様は先程までの冷徹な声ではなく緩んだ優しい声で言った。









父｢ふっ、随分というようになったじゃないか。所詮お前も私と同じだ。私を笑ったとて帰ってくるのもまたお前だ。｣









本当にその通り。お父様を嘲笑ったとて私自身も胸が痛い。









『誰のせいだかw』









するとお父様はまた椅子に座り今度は弱った声で告げた。









父｢私は時期に死ぬ。もう残り少ない命だ。こんなことをする必要なんてない。またあいつに会えるのであれば喜んでこんな死受け入れよう。

ここのオーナーの権限も時期に失われる。だからお前にはこれをやろう。｣









いきなり告げられた余命宣告。









私、お父様と同じ時期に死ぬのねw後追いみたいw








そんなことはともかく渡されたのはオーナーの権限が与えられたものだけが持つ証。








ペンダントなんだけどね〜









父｢ここを譲ろう。好きなように使うといい。







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父｢残り少ない人生を生きる娘にできる残り少ない父からのささやかな事だがな。｣

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