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47−神前式 ページ47

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お腹が大きくならない内に挙式しようと私を気遣って
実弥は知り合い全員に電報を書いてくれた。


おかげで妊娠7週程度でこの白無垢に袖を通す事が出来ている。
彼の優しさが身に染みて、お化粧の途中なのに先を思って涙が出そうになった。





「A様お時間です」

「はい」

「新郎様がお待ちです」

「…はい」





鏡の奥でまるで別人の様な自分を眺めながら少し膨らんだお腹をさすっていると隠が控え室を開けて私を呼んだ。

今日の早朝から一度も会っていない実弥。
彼もきっと袴が似合っているんだろうな。


「こちらです」と隠に先導され角を曲がった先に、彼はいた。





「――実弥」

「……………………綺麗ェだ」





紋付袴を見事に着こなした彼が、そこにいた。
そして私と目が合って数秒沈黙する。

まるでその言葉でしか表せないかの様にそう言うから、私は恥ずかしくて俯いた。
私も「似合ってるよ」と言いたかったのに。あまりに実弥の顔が美しくてそれをいう機会を逃してしまった。





「ありがとう実弥」

「あ?」

「幸せを沢山くれて」

「……泣くの早えよA」





くしゃっとした彼の笑いを最後に拝殿の門が開いて、私たちは光で包まれた。

外には彼が呼んでくれた沢山の人達。御館様もいらっしゃる。彼等一人一人が、私たちに祝福をあげてくれていた。


最奥まで着いて、しんとした中実弥が懐から紙を取り出しゆっくりと開く。そして凛とした声で「…私共は、」と奏上を始めた。





「――今日を佳き日と選び三峯神前の大前で式を挙げました。今後は信頼と愛情を以て助け合い暖かな家庭を築いて行きたいと存じます。何卒幾久しく御守りください。……不死川実弥」

「――不死川A」





私がそういうと彼は紙をたたみながらにやりと笑った。
恥ずかしくて俯くと、神職が指輪の交換を勧めてきて、巫女が持つ指輪を手に取った。


実弥の薬指にそれを嵌めた時、何だか照れくさくなって彼の顔を覗き込めば、実弥は耳を真っ赤にしていた。





「A。幸せを貰ったのは…俺もだ」

「…うん」

「こんな俺を好いてくれて、ありがとう」

「勿論です」





実弥の手が私の頬にかかる。
彼が少し屈んで、ゆっくりとその顔は近づいてくる。

最後に、額をこつんと合わせて、実弥は一番愛しそうに笑った。





「俺の嫁さんになってくれてありがとうなァ」

「――…こちらこそ」





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k - あ、はいもう好きです。こんな恋愛したいですわ(?) (6月16日 0時) (レス) @page50 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - ( ☆∀☆)実弥と恋仲になれて、しかも妊娠なんて(*≧∀≦*)幸せ!一推しなのでキュンキュンしました\(^-^)/ 続編とても読みたいです、 (2021年3月15日 0時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき(プロフ) - ひぃぃえぇぇぇ、さねみんかっこよすぎて辛いです天才です大好きです私は何回でも言いますおそらまめさんだいすき… (2021年2月7日 13時) (レス) id: dde5b1dc7f (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ミズノキさん» ミズノキ様コメントありがとうございます!うわああ嬉しいです…!全然天才なんかじゃありませんが、自信を持ってこれからも執筆させて頂きます!(笑) (2020年7月29日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
ミズノキ - ナニコレサイコー天才ですねおそらまめさんは天才\(^-^)/ (2020年7月27日 16時) (レス) id: fc17fb6cfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2019年12月25日 7時

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