45−身体の変化 ページ45
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――最近、Aの様子がおかしい。
睡眠がやけに長いし寝起きは悪い。食欲もなく食べねェ癖に吐き気を催す。
そして最近怠いからとの理由を付け鍛錬や任務後必ずと言っていい程胡蝶の元へ行く。
…加えて俺とのまぐわいも柔和に断られ俺は毎晩自分のを握らなけりゃいけねェ羽目に合わされている。
以前のAならそんな事全く以てなかった。
俺の体力に合わせていつも寝落ちするまで付き合ってくれるし飯も残さず食っていた。……病気か?
「__て事なんだけどよォ、宇髄」
「へェあのAがねぇ。そりゃちとまずいんじゃねぇか?」
「もしかして彼奴重病を患ってんじゃねェだろォなァ…」
行きつけの居酒屋で宇髄を誘って任務後二人で飲む。
Aは今日は合同任務だそうだ。
半年前程に宇髄に商店街で酒に誘われた時、Aに聞こえない様に「とっておきのAの話があるぜ」なんて下らない誘い文句に上手く乗ってしまったが今はそれどころじゃねェ。
まずいなんていう割にほくそ笑んでる男に苛々するが何しろ彼奴の生命にかかってるもんだ。仕方ねェ。
「重病…まぁ、重病なんじゃねぇの?ある意味」
「どういう事だァ一体」
「お前ら明日二人揃って非番か?」
「烏が鳴かねェ限りはなァ」
「だったら明日二人で胡蝶ん所行ってお前も診察聞け」
妙に嬉しそうに酒を流す宇髄に売り言葉の一つでもかけてやろうと思ったが、此奴の思うAの重病とやらがどうやら死に関わるものじゃない事を知ってそれはやめた。
「__A、そろそろ起きるぞォ。朝飯作った」
「……んぅ…まだ、眠い……」
「俺がおぶってやるから」
最近自分の身体がおかしい。
こうして大好きな実弥に起こされても身体がそれを拒否しているかの様に全身が怠く体温も常に高い。
しのぶさんの所へ行っても原因は分からず常に申し訳無さそうに毎日くる様にと告げられた。
今までなら実弥の作ったこの朝ご飯が輝いて見えたのに、今はこんなに優しい味付けでもいつも残してしまう。
「……実弥ごめんね。朝ご飯、最近…残して」
「しゃーねェ。…A、今日は俺も一緒に行く」
「え、しのぶさんの所? ついてきてくれるの?」
「あァ。今までついていかなくて悪ィなァ」
「実弥は何も悪くないよ」
居た堪れなくなってもう一度箸を持つと、「無理すんなァ」とこんな私に彼はそれでも愛しそうに優しく笑ってくれるのだ。
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k - あ、はいもう好きです。こんな恋愛したいですわ(?) (6月16日 0時) (レス) @page50 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - ( ☆∀☆)実弥と恋仲になれて、しかも妊娠なんて(*≧∀≦*)幸せ!一推しなのでキュンキュンしました\(^-^)/ 続編とても読みたいです、 (2021年3月15日 0時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき(プロフ) - ひぃぃえぇぇぇ、さねみんかっこよすぎて辛いです天才です大好きです私は何回でも言いますおそらまめさんだいすき… (2021年2月7日 13時) (レス) id: dde5b1dc7f (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ミズノキさん» ミズノキ様コメントありがとうございます!うわああ嬉しいです…!全然天才なんかじゃありませんが、自信を持ってこれからも執筆させて頂きます!(笑) (2020年7月29日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
ミズノキ - ナニコレサイコー天才ですねおそらまめさんは天才\(^-^)/ (2020年7月27日 16時) (レス) id: fc17fb6cfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おそらまめ | 作成日時:2019年12月25日 7時