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16−名前 ページ16

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「……ッお前は、…んとに…!」

「しなず、がわ、さ…」





私の思いは届いただろうか。
依然溢れる涙は止まらず、不死川さんの肩が湿っていく。

半ば締め付けるようにぎゅう、と強く抱きしめられて、その力強さにさえ私は愛おしさを感じて彼の丸まった背中に手を回す。


きつく私を抱きしめて離さない。
いつまでもその温度を感じていたかった。





「お願い…もうこれ以上、優しくしないで…ッ」

「返事を聞くまで…離さねェ」

「いや…! 不死川さん…!」





不死川さんは私の肩を掴んで顔を近づけてくる。

口づけされる、
気付いてすぐに顔を背けた。

それでも私の頬を掴んで不死川さんと目が合う。


このままじゃ、どうしたって彼は逃してくれない。





「…ねぇその手を離しなよ」

「…!?」





私も彼も第3者の声に動きを止める。


突然握られた私の手の先には……。

無一郎君がいた。





「無一郎君…!」

「Aが嫌がってる事するのやめてくれない?」

「てめェには関係ねぇだろうが」

「あるよ」





無一郎君は私の手をつかんで離さない。
それどころが握る手を強くして。

両側はお互いを睨んで火花が散ってるみたいだ。

無一郎君がこんなに感情的になってるのは初めて見た。





「Aは俺にとって大事な女の子だから」

「あァ…!?」

「不死川さんにとってAは違うんだね」

「何故そう言い切れる」

「少なくとも僕は泣く程嫌がる事はしない」





不死川さんがさっと私の顔を伺う。

泣いてるのは私の方なのに、彼の方が酷い顔をしてた。


不死川さんが私の涙を拭おうとしたけれど、
無一郎君に引き寄せられて触れられる事は無かった。





「Aの事思ってるなら近寄らないでよ」

「んだと…」

「迷惑してるんだよ。分からないわけ?」

「ッ」





鼻先ほど上にある無一郎君の瞳は鋭く不死川さんを捉える。不死川さんはその逆だ。


だけど確かめるように私の顔を覗いてきて。

どうしようもなく切なくて、私は見つめ返す事ができなかった。





「…桜田、」

「Aは…僕が大切にするから」

「…オイ!!」

「不死川さ、」

「A行こうよ」





今度こそ、離れ離れのような気がした。


強く無一郎君に引かれてばちん、と不死川さんの手が離れる。


精一杯呼んだ名前も無一郎君の胸に消えてしまった。





(年末年始実家に帰るので更新が途切れます
申し訳ございません…! 皆さま良いお年を!)
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k - あ、はいもう好きです。こんな恋愛したいですわ(?) (6月16日 0時) (レス) @page50 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - ( ☆∀☆)実弥と恋仲になれて、しかも妊娠なんて(*≧∀≦*)幸せ!一推しなのでキュンキュンしました\(^-^)/ 続編とても読みたいです、 (2021年3月15日 0時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき(プロフ) - ひぃぃえぇぇぇ、さねみんかっこよすぎて辛いです天才です大好きです私は何回でも言いますおそらまめさんだいすき… (2021年2月7日 13時) (レス) id: dde5b1dc7f (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ミズノキさん» ミズノキ様コメントありがとうございます!うわああ嬉しいです…!全然天才なんかじゃありませんが、自信を持ってこれからも執筆させて頂きます!(笑) (2020年7月29日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
ミズノキ - ナニコレサイコー天才ですねおそらまめさんは天才\(^-^)/ (2020年7月27日 16時) (レス) id: fc17fb6cfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2019年12月25日 7時

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