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12 −誤魔化せない ページ12

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結局夜ご飯まで一緒に食べて夜も更けた。

一週間前に送ってもらった夜道を今日も二人で歩く。


彼は何事も無かったかの様に過ごしていたけど、時々私を見る目が酷く切なくてどうしようもなく苦しかった。





「今日は有難うございました」

「あァ」

「もうここで大丈夫です」

「…そうか」





「桜田」
確かに彼はそう呼んだ。

脳のどこかが損傷しているかの様にずきんと痛むが、それを無視して「はい」と振り返る。





「……忘れ物ォ」

「何ですか?」

「長い間見てただろォ」

「…えっ」





不死川さんが懐から取り出したのは長方形の赤い箱。
それを迷わず受け取るが、コト、と中身が何かを理解するのは早かった。

__緑の簪。まるで不死川さんみたいだなんて、言ってた、あの。





「う、受け取れません! 私、お礼できないです…!」

「お前の今日を先に貰ってる」

「っ、…」

「…迷惑だったら捨てていいからよォ」

「迷惑だなんて、」





街灯の一つも無いこんな暗い道で。
ねぇ、不死川さん今どんな顔してるの?

…お願いそんな泣きそうな顔しないで。


私、あなたから貰った物なんて





「捨てられるわけ、ない……」





刹那、私の頬にするりと手が添えられる。

見上げれば月明かりを背に不死川さんが見つめていた。
影になって顔は見えない。

口元が動いたかと思うと、絞り出す様に彼は掠れた甘い声を出した。





「…何でお前が泣きそうな顔してんだよ…」

「……き、のせいです」

「桜田、お前は」





まただ。また、この雰囲気。
不死川さんの言葉は、一つに重みがある。

それでも私はこれ以上の言葉を聞いてはいけない。


「簪ありがとうございました」彼の肩を両手で押す。
お礼を早口で捲し立てて不死川さんから半ば逃げる様に後ろを向く。


 だけど、彼は見逃してはくれなかった。





「待て、桜田ァ…!!」

「きゃっ…!?」

「何故逃げる…いつもいつも…!」

「し、なずがわさ、」





彼に手を引かれて強く抱きしめられる。

そして顎を掴まれたかと思うと、彼の唇は荒々しく私に噛み付いたのだ。


突然のことに固まる。

知ってかしらずか、彼は1回の接吻で私を離して、今日一日中私を虜にしたその手で私の頬を触る。





「これだけすりゃわかんだろォ」





その鋭い瞳は、今は私だけを写している。





「好きだ、A」





13−唇→←11−私も



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k - あ、はいもう好きです。こんな恋愛したいですわ(?) (6月16日 0時) (レス) @page50 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - ( ☆∀☆)実弥と恋仲になれて、しかも妊娠なんて(*≧∀≦*)幸せ!一推しなのでキュンキュンしました\(^-^)/ 続編とても読みたいです、 (2021年3月15日 0時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき(プロフ) - ひぃぃえぇぇぇ、さねみんかっこよすぎて辛いです天才です大好きです私は何回でも言いますおそらまめさんだいすき… (2021年2月7日 13時) (レス) id: dde5b1dc7f (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ミズノキさん» ミズノキ様コメントありがとうございます!うわああ嬉しいです…!全然天才なんかじゃありませんが、自信を持ってこれからも執筆させて頂きます!(笑) (2020年7月29日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
ミズノキ - ナニコレサイコー天才ですねおそらまめさんは天才\(^-^)/ (2020年7月27日 16時) (レス) id: fc17fb6cfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2019年12月25日 7時

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