ほっとけーきとバター1

過去編23（ツリメ視点） ページ41

Aを家に送ってから自分の着替えを取りに行こうとした時

ピロリン！

俺のスマホが鳴った

(誰からだよ…こんな急いでる時に…)

電源をつけると

『ひばり』という人からラインが来ていた。

ひばり？

って…

Aの事怪我させたやつ！？

学校で怒鳴ったはずなのに

まだなんかあんのかよ…

そうも思いながら嫌々ラインを開いた

ひばり勝手に追加ごめんね…

ツリメ別に。何の用?

早く服を取りに行きたいのでなるべく早く話を終わらせたかった

ひばり今日はごめんなさい。でもわざとじゃないの…

は？

ふざけんなよ…

なんで俺に謝るんだよ

謝る相手間違ってんだろ

全部言いたかった。

ツリメふざけんな。

ひばり本当に…信じて!

ツリメ分かったから。話ってそれだけなの?急いでんだけど

ひばり信じてくれたの?嬉しい…

ツリメじゃ、それだけならもういいよね。バイバイ

今思えばこの時の返信の仕方が悪かったのかもしれない

しかもこいつのせいでA待たせちゃったし。

もう連絡しないでほしい。

Aの家に戻るとAはソファーの上で小さく体育座りをしていた

(可愛い…)

でもよく見ると小刻みに震えていた。

ツリメ「お待たせー。ごめんね遅れちゃって。」

Aは少し間を空けてから「大丈夫だよー」と言いながら首に手を当てて笑っていた

でもその笑いはいかにも笑っていなくて。

Aが嘘をつく時は決まって首に手を当てる

(大丈夫じゃないじゃん…)

俺は頼りにされてないのか、と思うとなんだか寂しくて。

「そっか」

と返事をした。

そのあとAが「買い物に行きたい」と言った。

なぜか聞いたら「みっくんにはあまり迷惑かけたくない」って。

えいちゃんには頼ってるくせに？

俺には頼ってくれないの？

小さな声でそう言った

誰にも聞こえないように


小さな声で

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