Bloody Poison【あんスタ】

いい子ちゃん〜過去編〜 ページ5

『まさか、Aちゃんを預かる事になるなんて･･･』

『こっちだって大変なのに･･･』

『言っちゃ悪いけど･･･迷惑な話よねぇ･･･』

偶然聞いてしまった、親戚同士の会話。
両親は私が中学生の時に、交通事故で亡くなった。この会話はお葬式の時に聞いた。

分かってた。

親戚の人達にも家庭がある。

子供もいる。

いきなり世話をしなくてはいけない子供が増えるのは迷惑だろう。

私は"お荷物"なのだ。

なら、お荷物なりに努力して生きよう。

そう決意した日から私は、変わった。

何でも言う事を聞き、わがままは一切言わなかった。勉強も頑張って高得点を取っていた。

少しでも、好かれたくて。
預かって良かった、って少しでも思われたくて。
でも、その努力は実らず、結局は別の家に様々な口実をつけて預けられる。
別の家でも同じ。

そうやって私は、親戚の家をたらい回しにされた。
表面上迎えてくれるが、私には分かっていた。
この人達は私を歓迎なんてしてないって。
お荷物が増えて、鬱陶しく思っているだけ。

邪魔なら邪魔ってはっきり言ってくれた方が良かったよ。

もう、顔色を伺って生きるのは嫌だよ。

どうやったらお荷物じゃなくなる？

もっといい子になれば？
もっと頭が良くなれば？

ねえ、誰か教えてよ･･･

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