壊れるのは一瞬3 ページ33
「え・・・?」
渉の言うことの意味が分からず、私は戸惑う。
渉は私の事を笑いを含んだ表情で見つめてくる。
私はその視線から逃れるように、目を背けた。
そして、今度は零と目が合う。
零は渉から手を離し、少し離れていた。
赤い瞳が私を捉える。
さっき渉に向けていたような殺気は感じない。
でも、優しさも存在しなかった。
「あ、あの・・・渉!」
零には何を話していいのか分からなかったので、私は渉に声をかける。
「何があったか、よく分からないけど・・・お願いだから、喧嘩はやめて。私、2人が喧嘩するところ見たくないよ・・・!」
重苦しい空気に耐えながら、私は必死に口を開く。
「んー・・・喧嘩、というか・・・私は、彼に助言をしていただけなんですよ?」
「はっ、助言だと?冗談キツいぞ、渉。てめぇは俺の事を勝手に決めつけて、無茶苦茶な提案をしているだけだろうが。」
「勝手に決めるも何も、それが事実なんですよ。私は分かりますよ、人を見極めるのは得意ですから・・・☆」
「はあ?何でも分かるってか?てめぇみたいな奴に俺の事見透かされてたまるか。だいたいお前はー・・・」
「ねえ、お願いだからやめてよ・・・!」
私は無理やり2人の間に入り込んだ。
渉の方を向いているので、零の顔は見えないが冷たい視線を感じる。
「・・・・・・渉。放課後、軽音部の部室に来い。」
少しの沈黙の後、零がぽつりと言った。
そのまま渉の返事を聞かないまま、教室を出ていった。
扉を閉める音が響いた瞬間、私は膝から崩れ落ちた。
68人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユミカ?(プロフ) - 朱蝶さん» まさか私の作品を読んでくださるなんて!ありがとうございます!朱蝶様の作品に比べたら全然駄作ですが、更新頑張ります♪もうすぐ豹変するので楽しみにしててくださいw (2016年9月2日 21時) (レス) id: adf92d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - コメント失礼します。読みやすくてさくさく進みます!そして吸血衝動で豹変する零が楽しみでなりません!笑 更新頑張ってください!(*´罒`*) (2016年9月2日 20時) (レス) id: cf009a00ba (このIDを非表示/違反報告)
ユミカ(プロフ) - ヴァリさん» コメントありがとうございます★読みやすいなら良かったです!まだまだな文才ですが、これからも更新頑張るのでぜひ読んでください! (2016年8月23日 23時) (レス) id: 424560f613 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァリ(プロフ) - コメント失礼します♪とても読みやすい小説ですね!更新楽しみにしています! (2016年8月23日 23時) (レス) id: b85a4ac4b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユミカ | 作成日時:2016年8月20日 23時