突きつけられる真実2 ページ30
私は重い足取りで廊下を歩いていた。
いつもの朝。軽音部の部室に寄って、零を起こして教室に向かうのが日課である。
しかし、今日は軽音部になかなか向かえない。
やはり、あんな話を聞かされたからだろう。
『零は・・・吸血鬼です。フリなどではなく、正真正銘の吸血鬼なのです。』
昨日、渉から告げられた言葉。
確かに零は自分の事を吸血鬼と言っていた。
でも、血は飲めないとも言っていたし、吸血するところも見た事がなかった。
だから、私は思い込んでいたのだ。
吸血鬼のフリをしているだけだと。遊びか何かでやっている事なのだと。
それはとんでもない間違いだった。
彼は、本物だったのだ。
人間の血を吸う、本物の吸血鬼だったのだ。
『他の吸血鬼に比べると、零は人間らしい心を持っています。しかし、やはり本能には逆らえなかったのでしょう。貴方と出会ってからろくに吸血をしていないみたいですし。我慢が出来なくなったんでしょうね・・・』
零は純粋な吸血鬼ではない。だから、血を吸わなくても生きていける。
でも、吸血鬼の血が流れているのは事実なので、吸血衝動はあるらしい。
何ヶ月も吸血衝動に耐えていたのが、今回爆発したのではないか・・・
渉からはだいたいこんな話をされた。
信じられない、まるでおとぎ話のようだ。
しかし、私は実際に吸血されている。
首筋に残る跡がそれを物語っているし、あの鋭い痛みも忘れる事はないだろう。
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ユミカ?(プロフ) - 朱蝶さん» まさか私の作品を読んでくださるなんて!ありがとうございます!朱蝶様の作品に比べたら全然駄作ですが、更新頑張ります♪もうすぐ豹変するので楽しみにしててくださいw (2016年9月2日 21時) (レス) id: adf92d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - コメント失礼します。読みやすくてさくさく進みます!そして吸血衝動で豹変する零が楽しみでなりません!笑 更新頑張ってください!(*´罒`*) (2016年9月2日 20時) (レス) id: cf009a00ba (このIDを非表示/違反報告)
ユミカ(プロフ) - ヴァリさん» コメントありがとうございます★読みやすいなら良かったです!まだまだな文才ですが、これからも更新頑張るのでぜひ読んでください! (2016年8月23日 23時) (レス) id: 424560f613 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァリ(プロフ) - コメント失礼します♪とても読みやすい小説ですね!更新楽しみにしています! (2016年8月23日 23時) (レス) id: b85a4ac4b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユミカ | 作成日時:2016年8月20日 23時