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嫉妬の吸血鬼と嗤う道化師1 ページ24

【零side】

ぐったりと横たわっているA。
顔には涙の痕。首には忌々しい噛み傷。

彼女の血は、想像以上に美味しかった。どんな吸血鬼でも彼女の血には虜になるだろう。

喉の渇きは満たされた。

でも、今すぐ自分を殺めてしまたいたいほどの後悔に襲われていた。

あれだけ固く誓ったのに。
彼女だけは、絶対に傷つけないと。

誓いはあっけなく崩れ去った。


誓いを狂わせたのは、嫉妬だった。
今思うと、Aが他のユニットに襲われた時から嫉妬は心のどこかに存在していたのだろう。

彼女は、面倒見がいい。だから仕事はすぐにこなす。頼まれた事は何でもやる。
そんな彼女は、色々なユニットから引っ張りだこになっていて最近はすごく忙しそうだ。

今日だって、葵くん達が彼女の事を褒めていた。

Aが慕われるのは、良い事だ。

最初はそう思っていた。

でも、そんな思いは建前だったのだ。

本当は嫌だった。

彼女が他の人に慕われて、仲良くなるのが。
葵くん達は特に彼女と仲がいいし、わんこ・・・晃牙もあんな態度だが、彼女の仕事っぷりは認めているだろう。

皆、大事な後輩だ。
そんな後輩にすら、俺は嫉妬しているのだ。

血を吸えるのは、自分だけだ。
だから、吸血すれば彼女は自分のモノになると・・・


愚かで身勝手な考えだ。
結局、彼女を傷つけ、泣かせただけで終わってしまった。

力なく床に座り込む。

そして彼女の頬を軽く撫でる。
触れる資格なんて、もうないのに。


「本当に、ごめんな・・・」

呟いた声も彼女には届いてないだろう。



「零?まだいるんですか?」

「・・・・・・!」

声とともに扉が開いた。

入ってきたのは、渉だった。



「おや?何だか不穏な空気ですね・・・また、Aさんが倒れていますし・・・今度は何をしたんですか?」

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ユミカ?(プロフ) - 朱蝶さん» まさか私の作品を読んでくださるなんて!ありがとうございます!朱蝶様の作品に比べたら全然駄作ですが、更新頑張ります♪もうすぐ豹変するので楽しみにしててくださいw (2016年9月2日 21時) (レス) id: adf92d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - コメント失礼します。読みやすくてさくさく進みます!そして吸血衝動で豹変する零が楽しみでなりません!笑 更新頑張ってください!(*´罒`*) (2016年9月2日 20時) (レス) id: cf009a00ba (このIDを非表示/違反報告)
ユミカ(プロフ) - ヴァリさん» コメントありがとうございます★読みやすいなら良かったです!まだまだな文才ですが、これからも更新頑張るのでぜひ読んでください! (2016年8月23日 23時) (レス) id: 424560f613 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァリ(プロフ) - コメント失礼します♪とても読みやすい小説ですね!更新楽しみにしています! (2016年8月23日 23時) (レス) id: b85a4ac4b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユミカ | 作成日時:2016年8月20日 23時

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