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最初の覚醒 ページ16

【渉side】

目の前に広がる光景は、予想出来たようで出来ないものだった。

さっきAさんを襲った人達は、皆倒れていた。
彼女の前ではあれだけ威勢が良かったのに。
こうやってあっさり潰されるなんて。
所詮はこの程度の人達だったのだろう。



そして、倒れている彼らを無表情で見つめている人物・・・

私の尊敬する先輩であり、友達である。

また、私が演じる台本の『重要人物』である。





「・・・ずいぶん酷い有様ですねぇ・・・零?」

私が声をかけると、彼の肩はびくりと震えた。

私は彼に近づく。よく見ると、彼の口元には血が流れていた。
それを見て、私はだいたいの事を察した。


「・・・殺しては、ないからな。」

ポツリと呟かれた言葉は、今にも消え入りそうだった。

「・・・ええ、分かってますよ。何とか抑える事が出来たみたいですね。貴方の吸血鬼らしいところが現れましたね。・・・久しぶりですね、ここまで暴走したのも。そんなに頭に血がのぼったのですか? 」


「・・・・・・・・・・・・うるせぇ」


零はそっぽを向いてしまった。

零に質問したが、私は彼が暴走した理由ははっきりと分かっていた。

許せなかったのだ。彼等がAさんを汚そうとしたのが。

綺麗で純粋な彼女を、奪われたくなかった。


彼はもうすでに、堕ちるところまで堕ちている。

そんな彼にとって、Aさんは自分を照らしてくれる光のようなものだ。

闇しか知らない彼は、彼女という光を頼りに歩いていくしかない。


その光が、逆に自分を苦しめる枷になったとしても。

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ユミカ?(プロフ) - 朱蝶さん» まさか私の作品を読んでくださるなんて!ありがとうございます!朱蝶様の作品に比べたら全然駄作ですが、更新頑張ります♪もうすぐ豹変するので楽しみにしててくださいw (2016年9月2日 21時) (レス) id: adf92d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - コメント失礼します。読みやすくてさくさく進みます!そして吸血衝動で豹変する零が楽しみでなりません!笑 更新頑張ってください!(*´罒`*) (2016年9月2日 20時) (レス) id: cf009a00ba (このIDを非表示/違反報告)
ユミカ(プロフ) - ヴァリさん» コメントありがとうございます★読みやすいなら良かったです!まだまだな文才ですが、これからも更新頑張るのでぜひ読んでください! (2016年8月23日 23時) (レス) id: 424560f613 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァリ(プロフ) - コメント失礼します♪とても読みやすい小説ですね!更新楽しみにしています! (2016年8月23日 23時) (レス) id: b85a4ac4b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユミカ | 作成日時:2016年8月20日 23時

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