外食 ページ9
「充、光、A。おかえり」
家に帰ると、真っ先にお父さんが玄関で出迎えてくれる。
「ただいま、父さん」
充に続き、私と光もただいまと返す。
と、
「あら、三人ともおかえりなさい」
リビングからお母さんが顔を覗かせる。
「今日の試合、凄かったわ〜」
感動したというように、お母さんはキラキラと目を輝かせる。
「Aも。応援、よく頑張ってたな」
お父さんがそう言って、私の頭に手を乗せた。
見ててくれたんだ。
自然と口元が緩んだ。
「父さん。実は、Aはサッカー部のマネージャーをやることになったんだ」
「家庭科部と掛け持ちでね」
充と光の言葉に、お父さんとお母さんは目を丸くした。
「兼部して大丈夫なの？A」
お母さんが少し心配そうな表情で問いかけてくる。
私は頷いた。
『うん。部長にも許可を取ってあるから平気。というより、野坂先輩が手続きをしておいてくれたみたいだけど』
「野坂って、キャプテンさんのこと？」
『うん』
その言葉に、お母さんは目を輝かせた。
「それじゃあ安心ね！王帝月ノ宮中の野坂くんと言えば、いろいろとピカイチで有名なんだもの！」
いろいろ、って...。
もっと具体的に纏めてあげようよ。
相変わらず大雑把なんだから。
「母さん。今日の夕飯って、なに？」
充の言葉に、お母さんはパチンと手を叩く。
「それなんだけどね。せっかくだから、今日は外食にしない？試合に勝てたお祝いってことで！」
は？
「いいじゃないか、それ」
お父さんが賛成し、お母さんと二人で盛り上がっている。
「どこに食べに行きたい？」
お母さんの言葉に、充と光は顔を見合わせる。
「俺はどこでもいい」
「俺も」
外食ということにあまり興味がないのか、二人はのほほんとしている。
一方、私は焦っていた。
外食ってことは、みんなで外に出てご飯を食べに行くんだよね。
ってことは、クラスメイトに見つかる可能性もあるってことになる。
もし見つかったら大変だよっ！
「Aは？」
光が尋ねてくる。
正直行きたくないけど、みんなは外食する気満々だ。
せっかくの雰囲気を壊したくない。
『わ、私もどこでもいいかな』
まあ、もし見つかったらその時はその時だしね。
なんとか上手く場をしのぐしかない。
あれこれと話し合った結果、普通にファミレスに行くことになった。
ユニフォームや制服から私服に着替え、私たちは促されるままに車に乗った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃんたまファシル(プロフ) - みかんさん» ありがとぉおおおおおおお！頑張りまっする！ (2020年8月16日 23時) (
レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - うん、前の章から見てました。安定の面白さ！好きですぅぅぅぅ！応援し続けます！ (2020年8月16日 12時) (レス) id: a03bb62dba (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - 緑川カナエ＠元リーのアニメ部屋さん» (ΦωΦ)ﾎﾎｫ…(´☆ω☆｀)ﾅﾙﾎﾄﾞﾈ！じゃあ奥野君との絡みもちょこちょこ入れてみますね！！ (2020年8月16日 10時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
緑川カナエ＠元リーのアニメ部屋(プロフ) - あ、めでたい事に親にスマホを買って貰ったのログインしました。私奥野君が最推しで‥本当に男何ですかあの子((( (2020年8月16日 1時) (レス) id: 08be6625b8 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - リーのアニメ部屋さん» リクエストありがとうございますっ！王帝月ノ宮メンバーとの絡みですね、上手く書けるかなぁ笑 頑張ります！ (2020年8月15日 14時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
