明日の話 ページ44
「兄ちゃんさ。Aが電話してる間、ずっとそわそわしてて落ち着きなかったんだよね」
なんで？
「Aの電話相手、誰なのか気になってたらしいよ。まあ、それ以前に心配してたんだろうけどさ」
「光。それは言わなくていいだろ」
光に指摘され、充は少し赤くなる。
『ありがとね、充。でも私は大丈夫だよ』
「なら、いいんだけどさ」
ニコッと微笑むと、充はふいっ、と顔を背ける。
でも、耳が赤くなっているのが分かり、私はクスクス笑った。
晩御飯を食べ終わると、光がお父さんに声をかける。
「父さん、明日の試合の話するよ」
「あぁ、わかったよ。聞いてるから言っていいよ」
食後のコーヒーを飲みながら、お父さんは光を見つめた。
「明日の試合相手は、星章学園。俺と兄ちゃんはいつものポジションで、MF。あと、Aも行くから」
「Aも？なにかあるのか？」
「マネージャーだよ」
お父さんの言葉に、充が素早く返答する。
それを聞いたお父さんは目を丸くした。
「Aって、家庭科部じゃなかったのか？」
『家庭科部だよ。だけど野坂先輩の頼みで、明日までサッカー部のマネージャーをやることになったんだ』
私が説明すると、お父さんは納得したように頷いた。
「そうか。じゃあ明日は、Aも試合に出ることになるのか。それは楽しみだよ」
嬉しそうにするお父さんを見て、私は思わず笑顔になる。
自分の親が嬉しそうにしてると、なんだか自分も嬉しくなるよね。
「Aがマネージャーやるの？じゃあ私も見に行こうかしら」
どうやら話を聞いていたらしい。
お母さんが言った。
『お母さん。マネージャーっていっても、私はベンチにいるから意味ないよ。見るなら充と光でしょ』
「もちろん、見に行くからには二人の活躍もしっかり見るつもりよ」
そんなに楽しみなのかな。
なんか、ものすごく嬉しそう。
「母さんも見に来てよ、絶対勝つからさ」
光が自信満々に言った。
「勝つに決まってるだろ。星章に負けるもんか」
充もそう言って、ふっと笑う。
その微笑に、ついつい見惚れる。
だって、花が開くように綺麗だったんだもの。
イケメンって恐ろしい。
どんな表情でもカッコイイんだよね。
『私は選手じゃないから何も言えないけど、ベンチから精一杯応援するよ』
私の言葉に、充と光は嬉しそうに笑って頷いたのだった。
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Flow(プロフ) - コメント欄の下の方に荒ぶる受験終わりがいる(語彙力) お久しぶりですにゃんたまファシルさん。 しばらく読んでなかったんですが、めっちゃ増えてて驚きました(*^^*) これからも頑張ってください(私が誰かは察して下さいな) (2020年7月11日 9時) (
レス) id: d234e6b38d (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - 杳覇さん» ぎゃーっ！え、もう嬉しすぎます！まじでホントにありがとうございます(語彙力)更新頑張らせてもらいますっ！ (2020年6月20日 20時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初コメ失礼します！他にない状況設定、主人公ちゃんの無理のない性格、魅力的なオリキャラとどれをとっても文句のない、めっちゃ面白い作品ですね！！一星兄弟や野坂くん達も良い味出しててキュンときました！お体に気をつけて、更新頑張って下さいね！！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - りら。さん» ありがとうございます！いやいや、あなたの作品もいいと思いますよ！誰も見ないならこの私が見ます((( (2020年5月18日 12時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - あかりさん» 大体な野坂くんもいいですよね (2020年5月18日 12時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
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