表情 ページ4
「じゃあこれで、なにかあったらサッカー部に頼れるよな」
『うん』
サッカー部が味方になってくれるのは、とても心強かった。
だけど、また坂東さんに妬まれる可能性だって十分ある。
でも、そんなことはどうでもいい。
サッカー部のみんなに迷惑をかけないようにしなきゃ。
「坂東に関しては、俺がなんとかする。俺がいない時になにかあったら、すぐに言ってくれ」
『うん』
みんながなんとかしようとしてくれるのは嬉しかった。
だけど、それが逆効果になるかもしれない。
だからといって、みんなに断るわけにもいかない。
どうしよう...。
「A、どうした？」
坂東さんだけじゃない。
他の充や光のファンの子たちにも反感を買う可能性だってある。
それに、野坂先輩のファンだって...。
「おい、Aってば」
学校の女子を全員敵に回したら、私の学校での生活はどうなっちゃうの？
「A！」
『！ご、ごめん...』
大声で名前を呼ばれて、私は我に返った。
充が心配そうな表情で覗き込んでくる。
「どうしたんだよ。急に黙り込んで」
『な、んでもない...』
そう答えて、私は彼から顔をそらした。
私なら一人でも大丈夫だ。
これまで学校で一人でも、ちゃんとやっていけたもの。
奏と友達になる前だって、私はずっと一人だった。
小学校では友達なんて出来ず、作ろうともしなかった。
だけど今は、王帝月ノ宮中にきて奏たちにも出会えた。
せっかくできた友達を、傷つけたくない。
一人でも、乗り切ってみせる。
坂東さんのいいなりになんか、絶対にならない！
そんなことを考えていると、
「...A」
『なに、充？....っ！』
突然、名前を呼ばれた。
と思ったら、強い力で引き寄せられ、視界が真っ暗になった。
抱きしめられていると理解するまでは、そんなに時間はかからなかった。
突然の出来事に、私が驚いて固まっていると、
「その表情、辞めてくれよ」
充が私の耳元で、ぼそりと呟いた。
『え？』
彼の顔を見ようにも、後頭部を押さえられて胸板に押し付けられているため、私は顔を上げることができなかった。
どのような表情をしているのか、全くわからない。
「こんなこと言うのもあれだけどさ。最近、わかるようになってきたんだ」
『なに、を？』
「Aが何を考えているのか」
『！』
「まあ、光ほどではないけどな」
そう言って、彼は苦笑した。
その声色はとても優しく、学校では聞いたこともないくらいだった。
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Flow(プロフ) - コメント欄の下の方に荒ぶる受験終わりがいる(語彙力) お久しぶりですにゃんたまファシルさん。 しばらく読んでなかったんですが、めっちゃ増えてて驚きました(*^^*) これからも頑張ってください(私が誰かは察して下さいな) (2020年7月11日 9時) (
レス) id: d234e6b38d (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - 杳覇さん» ぎゃーっ！え、もう嬉しすぎます！まじでホントにありがとうございます(語彙力)更新頑張らせてもらいますっ！ (2020年6月20日 20時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初コメ失礼します！他にない状況設定、主人公ちゃんの無理のない性格、魅力的なオリキャラとどれをとっても文句のない、めっちゃ面白い作品ですね！！一星兄弟や野坂くん達も良い味出しててキュンときました！お体に気をつけて、更新頑張って下さいね！！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - りら。さん» ありがとうございます！いやいや、あなたの作品もいいと思いますよ！誰も見ないならこの私が見ます((( (2020年5月18日 12時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - あかりさん» 大体な野坂くんもいいですよね (2020年5月18日 12時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
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