ナンパ？ ページ20
その日はもう、坂東さんはなにも仕掛けてはこなかった。
ほんと、二人に感謝だよ。
放課後になったため、サッカー部の部室に向かおうとカバンを手にかける。
すると、
「紅月」
誰かに呼ばれ、振り向く。
そこには、申し訳なさそうにこちらを見ている武石くんがいた。
「さっき、助けてやれなくてごめんな」
『え？いいよいいよ！』
頭を下げた武石くんに、慌てて言った。
『もう大丈夫。ね、顔上げてよ』
やっぱり優しいんだな、武石くん。
まあ、他の男子がどうかなんてわからないけどね。
「今度は、ちゃんと守るから」
『え？』
彼の言葉がよく聞き取れず、私は聞き返す。
だが、彼は首を横に振った。
「なあ、一緒に帰ろうぜ」
『え、っと...』
私は戸惑った。
サッカー部に行くって言っても、疑問に思うだろう。
だって、私はサッカー部じゃないんだもの。
よし、じゃあここは無難に...！
「どうした？」
『ごめん、武石くん。今日はちょっと用事があるから、また今度一緒に帰ろうよ』
「そっか、それなら仕方ないよな」
誘ってくれたのは嬉しいけど、ごめんね。
武石くんは少し残念そうにしていたが、すぐに私を見て笑った。
「じゃあ、また明日な！」
『うん、じゃあね』
武石くんはそう言って、教室から出て行く。
彼を見送ってから、私は教室を出てサッカー部の部室へと向かう。
家庭科部で1回行ったことはあるから、たぶん大丈夫なはず。
校内を歩き回り、サッカー部の部室を探す。
あれ？どこにあったっけ？
辺りをキョロキョロしていると、
「ねぇ君、ひとり？」
『え？』
知らない先輩に声をかけられる。
なんの用なんだろ。
『ひ、一人ですけど...』
「じゃあさ、俺と遊ぼうよ」
えっと、こういう時って、どう断ればいいんだっけ？
「いいところがあるからさ、一緒に行こうよ」
『えっと、すみません。これから約束があって...』
無難に断ってみる。
が、
「もしかして女子？だったらその子も誘って一緒に行こう」
『い、いや、離してください！』
腕をほどこうとするが、相手は先輩で、しかも男子。
力じゃ到底敵わない。
それをわかっているのか、彼は私の腕を強引に引っ張る。
「いいじゃん別に。ほら、行こう」
『いやっ！離してください！』
このままじゃまずい！
怖いよ、誰か助けて...！
逃げようともがいていた、その時。
「あぁ、こんなところにいたんだ」
私の肩に、ぽん、と手が置かれた。
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Flow(プロフ) - コメント欄の下の方に荒ぶる受験終わりがいる(語彙力) お久しぶりですにゃんたまファシルさん。 しばらく読んでなかったんですが、めっちゃ増えてて驚きました(*^^*) これからも頑張ってください(私が誰かは察して下さいな) (2020年7月11日 9時) (
レス) id: d234e6b38d (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - 杳覇さん» ぎゃーっ！え、もう嬉しすぎます！まじでホントにありがとうございます(語彙力)更新頑張らせてもらいますっ！ (2020年6月20日 20時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初コメ失礼します！他にない状況設定、主人公ちゃんの無理のない性格、魅力的なオリキャラとどれをとっても文句のない、めっちゃ面白い作品ですね！！一星兄弟や野坂くん達も良い味出しててキュンときました！お体に気をつけて、更新頑張って下さいね！！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - りら。さん» ありがとうございます！いやいや、あなたの作品もいいと思いますよ！誰も見ないならこの私が見ます((( (2020年5月18日 12時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - あかりさん» 大体な野坂くんもいいですよね (2020年5月18日 12時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
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