部活の打ち合わせ ページ11
『あ、あの。離してくれませんか？』
恐る恐る聞いてみると、野坂先輩は少し笑った。
「いいけど、僕と手を繋ぐのは嫌かい？」
そう言って、ぐいっと顔を近づけてくる。
じっ、と見つめられ、私は思わずドキドキ。
『そ、そういうわけじゃないですけど！また勘違いされたら困るんですってば！』
「ふーん」
生返事をして、野坂先輩は私の手を離した。
一瞬、名残惜しそうに私の手を見つめていたのは気のせい？
「僕は別に、勘違いをされても構わないけどね」
『？なんでですか？』
そう尋ねると、野坂先輩は足を止める。
そして、私を見て口を開いた。
「だって僕、君のこと...」
え？
思わず呆気に取られていると、
「野坂さん！A！」
バタバタと足音が聞こえた。
振り向くと、充と光、西蔭先輩がこちらに走ってきていた。
そういえば、三人のこと忘れてた。
「ったく、置いてくなよ」
充が不機嫌そうに言う。
「ごめんごめん。すっかり忘れてたよ」
「野坂...」
にこやかに言う野坂先輩を、充は軽く睨みつける。
「まあまあ兄ちゃん。おさえておさえて」
光がそう言って、不機嫌そうな充をなだめる。
「じゃあせっかくみんながいるから、今日の部活の打ち合わせでもしようか」
「そうですね」
サッカー部の話だったら、私はお邪魔かな。
そう思って、私は先に行こうと足を早めた。
が、
「どこ行くんだい？」
野坂先輩に腕を掴まれる。
『えっと、が、学校に...』
「学校まで一緒に行こうって言ったじゃないか。それに、サッカー部の話は君にも関係あるんだ」
え？
「少し、伝えたいことがあるからね」
そう聞いて、私は先に行くのをやめる。
それがわかったのか、野坂先輩は話し始めた。
「明日は星章学園との試合だけど、今日はそのフォーメーションをチェックしたいと思う。それが今日の部活でメインになるかな」
私はそれを聞いて関心した。
野坂先輩はキャプテンとして、毎日こんな風に部活をどう進めていくのかを考えているのかな。
それって、すごいことだよね。
「それから、」
と、野坂先輩は私の方を向いた。
なんだろ。
「君にひとつ、頼みがあるんだ」
『頼み、ですか？』
頼みって、なんだろう？
だけど、先輩の頼みなら聞かなくちゃ！
私だって、先輩に助けてもらってるもの。
「頼みっていうのは、」
ゴクリ。
「今日の放課後、サッカー部に来てくれないかい？」
その言葉を聞いて、私はポカンと口を開けて固まった。
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Flow(プロフ) - コメント欄の下の方に荒ぶる受験終わりがいる(語彙力) お久しぶりですにゃんたまファシルさん。 しばらく読んでなかったんですが、めっちゃ増えてて驚きました(*^^*) これからも頑張ってください(私が誰かは察して下さいな) (2020年7月11日 9時) (
レス) id: d234e6b38d (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - 杳覇さん» ぎゃーっ！え、もう嬉しすぎます！まじでホントにありがとうございます(語彙力)更新頑張らせてもらいますっ！ (2020年6月20日 20時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初コメ失礼します！他にない状況設定、主人公ちゃんの無理のない性格、魅力的なオリキャラとどれをとっても文句のない、めっちゃ面白い作品ですね！！一星兄弟や野坂くん達も良い味出しててキュンときました！お体に気をつけて、更新頑張って下さいね！！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - りら。さん» ありがとうございます！いやいや、あなたの作品もいいと思いますよ！誰も見ないならこの私が見ます((( (2020年5月18日 12時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたまファシル(プロフ) - あかりさん» 大体な野坂くんもいいですよね (2020年5月18日 12時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
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