147 同じ経験 ページ21
光「大丈夫です、俺がいますから」
そう言って背中を優しく叩いてくれる光くん。私は涙を拭いて、顔をあげた。
光「落ち着きましたか？」
『ありがとう、もう大丈夫だよ』
まだ目元に溜まっていた涙を、光くんは優しく拭ってくれた。
『もう、寝たくない……恐い……』
光「寝なくても、体を休ませればいいんです。起きていても治りますよ」
そう言って、光くんは私にマグカップを差し出した。
『これ、なに？』
光「ホットミルクです。リラックス効果があるみたいですし、落ち着きますから」
一口飲むと、ミルクと砂糖の甘さが口の中に広がった。自然と口元が緩んでいた。
『……美味しい………』
光「よかったです」
私が笑っているのを見て、光くんは微笑んだ。
光「あの………どんな夢を見たんですか？」
『………………』
光くんの言葉に、私は黙りこんだ。
光「いや、あの……無理して言わなくていいんです！」
『いや、大丈夫………話すよ』
心配そうにこちらを見つめる光くんに、私は話した。
『私が……すべてを失った日の夢だよ。あの日はいつも通り、家族で過ごしていたんだ。だけど………家に、強盗が入ってきてね。私の目の前で、お父さんとお母さんが殺されたんだ。それで………私は隠れていたんだけど、見つかって………』
そこで一旦言葉をきって、私は続ける。
『これが、夢の内容だよ。ここまで見て、目が覚めたんだ。だけど………夢の中で、私は黙って見ていることしか出来なかったんだ。だから、それが悔しくて………っ』
また涙が頬を伝った。光くんはそれに気づいて、私の涙を拭う。
光「……………そうだったんですね………」
『うん………ごめんね、またこんな話して………』
いいんです、と光くんは悲しげに言った。
光「俺も………同じような経験、してますから」
『そっか………そうだったね……』
光くんも、交通事故で家族を亡くした。私はそれを思い出して、うつむいた。
光「でも、今は違う。Aさんや、みんなが居てくれる。だから、一人じゃないんだってはっきり言えます。」
光くんは私の手を握り、こちらを見つめる。
光「Aさん、言ってくれましたよね？俺はもう、一人じゃないって……だから、今度は俺が伝えます」
私は光くんを見つめた。
光「俺が、いや………俺達がいます。Aさんはもう、一人じゃありません」
『光く………っ』
光くんは困ったように笑い、私の涙を拭った。
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姫川ふぶき - 一星が頭を撫でたけど、円堂が何で皆を呼ぼうって思ったのかわからないから、野坂達は何で来なかったのかな？明日人がきって円堂が心配をするのはわからなくってもないけど人の都合を考えないのかな (2020年4月24日 3時) (
レス) id: 3c4b53ac36 (このIDを非表示/違反報告)
Yニャン - アリスさん» コメントありがとうございます！面白いと思ってくれてよかったです！充くんと光くんのファンも、もっと増えてほしいですね！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！(ゝω・´★) (2019年8月15日 22時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - あと番外編やばいほど面白かったです！ (2019年8月15日 14時) (レス) id: 4df22a9414 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - やばい。。。。。光君が可愛すぎてやばいです。。。w主様のおかげで光君も充君ももっと好きになりました！！ほんとにありがとうございます！！更新頑張ってください！これからも応援してます！ (2019年8月15日 14時) (レス) id: 4df22a9414 (このIDを非表示/違反報告)
Yニャン - こまめに更新しますので、これからもよろしくお願いします！(ゝω・´★) 〜追伸〜 番外編の夏祭り、いかがでしたか？ (2019年8月5日 0時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
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