143 頼もしい兄 ページ17
光「Aさん、作ってきましたよ」
『ありがとう、光くん』
しばらくして戻ってきた光くんは、慎重におかゆをおぼんに乗せて運んできた。
光「あついので、少し待っててください」
スプーンでおかゆをすくい、フーフーと息を吹きかけて冷ましている。
何回も必死でやっている仕草がおかしくて、私は笑った。
光「はい、もう大丈夫です。口、開けてください」
『へ？じ、自分で食べれるけど………』
光「無理しちゃだめです。俺がやります」
やる気に満ち溢れた目でスプーンをずいっと差し出してくる光くんに、私はおとなしく口を開けた。
光「ど、どうですか？」
『………うん、美味しいよ、光くん』
そう言って笑うと、光くんはパアッと笑顔になった。
『光くんって、料理できたんだね』
光「それ、どういう意味ですか？」
じと目で見つめてくる光くんに、私は慌てて答えた。
『い、いい意味だよ。感心したというか、なんというか………』
焦って言う私におかしくなったのか、光くんはクスッと笑った。
光「まあ、兄ちゃんと二人の時に、よく作ってましたから」
『………話を聞いてると、充くんより光くんがお兄さんみたいなんだけど………』
私があきれたように言うと、光くんは言った。
光「確かに兄ちゃんは、だらしないところがたくさんありますけど………」
めちゃめちゃ兄をディスってると思いながら聞く私に、光くんは続ける。
光「それでも………兄ちゃんは、俺のヒーローでした。今でも兄ちゃんは、俺の誇りです。かっこよくて、たくましい、俺の自慢の兄でした」
『そっか………』
どこか思い出すように充くんのことを語る光くんは、本当に誇らしそうだった。
『なんか………いいな』
光「え？」
きょとんとする光くんに、私は続ける。
『私には、自慢できる家族なんていないから………光くんが………羨ましいなって』
光くんは私の話を黙って聞いている。
『私のことを大切に思ってくれる人なんて………いるわけな____________っ！？』
言い終わる前に、光くんは私を抱きしめた。
突然のことに、私は驚いて声がでなかった。
光「………そんなこと、言わないでください……」
『光くん？』
光くんの声が震えているのに気づき、私は離れようとしたけれど、後頭部を押さえられて離れないようにされる。
光「………います」
『え？』
私が聞き返すと、光くんはより強く私を抱きしめる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
姫川ふぶき - 一星が頭を撫でたけど、円堂が何で皆を呼ぼうって思ったのかわからないから、野坂達は何で来なかったのかな？明日人がきって円堂が心配をするのはわからなくってもないけど人の都合を考えないのかな (2020年4月24日 3時) (
レス) id: 3c4b53ac36 (このIDを非表示/違反報告)
Yニャン - アリスさん» コメントありがとうございます！面白いと思ってくれてよかったです！充くんと光くんのファンも、もっと増えてほしいですね！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！(ゝω・´★) (2019年8月15日 22時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - あと番外編やばいほど面白かったです！ (2019年8月15日 14時) (レス) id: 4df22a9414 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - やばい。。。。。光君が可愛すぎてやばいです。。。w主様のおかげで光君も充君ももっと好きになりました！！ほんとにありがとうございます！！更新頑張ってください！これからも応援してます！ (2019年8月15日 14時) (レス) id: 4df22a9414 (このIDを非表示/違反報告)
Yニャン - こまめに更新しますので、これからもよろしくお願いします！(ゝω・´★) 〜追伸〜 番外編の夏祭り、いかがでしたか？ (2019年8月5日 0時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
