俺の彼女は ( T.m ) (ページ7)

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(Aside)

涙で歪んだ視界のまま、冷蔵庫にあるガトーショコラをゴミ箱に落とす

何も無かったことにして寝ちゃおう、許せないけど今はもう何も考えたくない

増「ねえ」

寝室に向かおうとしてた時、ちょうど後ろから貴久の声が聞こえて

「何？」

増「何じゃないでしょ、なんか無いの？」

「ないよ」

寝るね、って貴久の顔を見ずに答えたけど思ったより声が震えちゃって、

増「え、A？」

貴久が私の手首を掴んで顔を覗き込む

「見ないで」

増「何泣いてんの」

「泣いてない、離して」

私を引き止める貴久の手を振り払って寝室に逃げる

ここまで来たらもう涙だって隠す必要は無いし

止まんないし、息が苦しい

乱れた呼吸を整えながらベッドの下に座り込むと

コンコン、ってノックする音が聞こえて

入るよ、って直ぐに貴久の姿が見える

増「A？」

「やだ触らないで、早くお風呂入って来て」

私を抱きしめようと伸ばされた貴久の腕が止まる

早くその匂い落としてきて

増「何、どう言う事」

「分かんないの？誰なの、そんな香水付ける人が好きなの？」

増「A、御免ね不安にさせちゃって」

ふふ、って息で笑う声が聞こえたと思ったら

ぎゅっと抱き締められて、お酒の匂いと今日大嫌いになった甘ったるい匂いに包まれる

「だからっ、」

抵抗しようと胸板を押すけど、全然離してくれなくて

なんなのこの人どんな神経

増「A、御免これ手越の香水」