黒薔薇が咲く監獄にて。II

23. 〃 ページ36

ただひたすらに腹を空かせ



『馬狼…！？』

『正気か…！？』 『アイツ…』

『Aの読みをブチ抜いた！？』







王様(キング)は待っていたのだ。

獲物の死角から、潔世一の意識の外からボールを奪い＿＿＿


己の腹を満たす''狩り''の瞬間を







『泥臭ぇ…どんなサッカーだよ…！』


｢クソ新しい戦法(スタイル)だネ…！！｣








そーか……、'' 味方から奪う '' なんてプレーは2人(コイツら)の辞書には無い、予知出来ない動きなんだ…だからこそ刺さる。


戦場(フィールド)の悪役という馬狼の戦法(スタイル)は緻密に作り上げる2人のサッカーにとって＿＿＿＿





制御不能の

''悪の異分子''!!

GOAL !



『…どーした？俺を支配してみろよ。


'' 生意気×下まつ毛TOP2 ''』



3-3






『つーか、足んねぇよ潔…もっと喰わせろ。』





馬狼(コイツ)がアイツら2人攻略の突破口…！！！






『これで…試合は分からなくなったな…』


『隙突かれちゃった？Aちゃん、凛ちゃん。』






『｢＿＿＿＿もう、インプットした/ヨ 。｣


次はねぇよ…』




これなら、凛に支配されず…かつ、Aを追い込んでいく。馬狼という異端(バグ)を使って＿＿＿＿

'' 読めない '' プレーを生み出すんだ！！




REST ART !!




凪と千切がポジションチェンジをし、蹴り出したAをマークするのは千切だ。



『ブチ抜いてみろよ、天才。



＿＿＿＿！』






咄嗟に後手を取られないようにボールを蜂楽に出していく。右サイド際の自由な空間(スペース)へのパス！





『ドリブルで切り込めって合図(コト)ね♪』






間合いに飛び込んでこない距離感のDF(ディフェンダー)、抜かれるのを警戒している潔を目にしていたが、横からの妨害に入ってきた千切(スピードスター)をプレスマンにして2対1で挟み込んでくる。






『ﾁｯ！』


『危っぴ、速やや…』





その隙に自由(フリー)の凛が上がっていくのを端で捉えた蜂楽は良い位置で待っているのだと考えた。

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