黒薔薇が咲く監獄にて。II

21.声。 ページ15

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｢＿＿＿＿𝐮𝐧(アン)


𝐝𝐞𝐮𝐱(ドゥ)…𝐭𝐫𝐨𝐢𝐬(トロワ)……｣






なかなか聞かないような単語でリズムを取り続けている声がフィジカルトレーニングルームから聞こえてきた。

凛はその部屋の前を通ってセンターフィールドへ向かおうとしていたが、その声が気になってはふと足を止めてみた。





そこに居たのは自分の世界にだけ集中していて気付いていないのか、ポイントで交換したであろうスマホから音楽を流しては躰を華麗に舞うAが居た。





上級者ですら失敗するピルエットをまるで花弁が舞うようなしなやかな回転を魅せ、音楽が段々と音量が下がっては停止していく＿＿＿＿。







｢……ふぅ…。




＿＿＿＿！？！？！？｣






静かに綴じられた瞳が開けば、鏡に反射して後ろには凛の姿が丸々と見えたことで更にｶｯ！と目を見開いては顔を後ろに向け、凛の方を見つめた。





『そんなに驚く事かよ、

まあいい、俺と付き合え』



｢……へ？何…？付き合……｣





こっちに来い、とでも言わんばかりの顔をした凛の発言に素っ頓狂にも軽く口を開けたA。






『練習。』



｢あ、そーゆーコト！？待ｯてゞ、今行くから〜！｣





せっせと床に置かれたスマホ、スポドリとタオルを手にしては凛の方に駆け寄って。

……やっっっば、勘違いしてたの恥ずかしすぎる！！

大丈夫、大丈夫ヨ、A。
きっと大丈夫だから大丈夫！！！(？)



















『……フン、』







その反応、 '' 期待してた '' って解釈でいいんだよな？

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