にじゅうにわ ページ26
安心した様に扉を閉じる司書さん。
いなくなったことに全員で安堵のため息をつく。
死ぬかと思ったぁ。
いや将来的に死ぬんだけどさ。
下からずるずると這い出て、円になり、顔を合わせる。
向かいには龍、左には太宰くん、右に志賀さんがいる。
「赤いの、お前は無頼派の信頼できるやつひとりだけにこの事を話せ。龍は秘密裏に館長代理にこのことを報告。間違っても司書の奴にはバレるなよ。俺は秋声さんにこの事を話してくる。話はそれからだ」
「志賀に指図されんのは不服だけど蠟月先生から司書を放す為だしな」
「わかりました。気を付けます」
自分抜きで話がとんとん拍子に進んでいく。
うーん、何でだろう、自分が自分の意志でひどいことを言って、自分のことを嫌っていてもおかしくないのに司書さんを放す為に此処までするなんて。
これは少し、太宰くんも龍も、妄信的すぎやしないか？
志賀さんは考えが読めないからともかく、龍も太宰くんもおかしいんじゃないのか。
しかも、自分の事の話なはずなのに疎外感とか感じるし。
寂し…いや、寂しくはないな？ けど、蚊帳の外なことに違和感を感じるのは自分だけだろうか。
「蠟はいつも通りに司書に接してくれよ。間違ってもこのことを司書に話して、自分の命だけで勘弁してもらおうとかそんなふざけた考えは持つなよ」
「は、はい」
志賀さんは最後に自分に釘を刺すと、太宰くんと龍が同意するように頷く。
思いっきり考えを読まれていたことに衝撃を受ける。
そんなにおれってわかりやすかったかな。
不思議に思って頬を伸ばしてみても当たり前のようにわかるわけないし、唯一分かったことといえば思ったより表情機筋が柔らかかったことぐらい。
だから考えが読まれたのか？ と首を傾げてみても答えらしい答えは出ない。
分からないのだから、面倒だし志賀さんの洞察力が高かったことにしておいてもあながち間違いではないだろう。
「じゃあ解散」
志賀Side
訪問者がいなくなった室内でこれからのことを考え始める。
あれから様子がおかしいのは察してはいたが、ここまで深刻とはな。
秋声に話して、菊池とか、他の人にも話すか？
広めてしまったらどこから司書に流れていくかはわからない。
秋声さんは地味だが、秘密ごとは黙っていてくれそうだ。
それに、いい案も出してくれるだろう。
いや、不用意に広めるものではないか。
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のんしゅ(プロフ) - しばらく更新停止するつもりです。ほんとすみません。できるだけ早く投稿できるようにしますので、待っていてくださると嬉しいです。 (2022年2月11日 17時) (
レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
文ストファン - いつ見ても面白い！！！！！！ (2022年2月11日 14時) (レス) @page27 id: 643207991d (このIDを非表示/違反報告)
のんしゅ(プロフ) - わぁぁぁ！ ありがとうございます！ すごく励みになります！ 若輩者ですが、頑張って投稿始めようと思います (2022年1月30日 22時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
文ストファン - ヱァァァァァァァァァァァァァァァァ素晴らしい作品ありがとうございます！ (2022年1月30日 21時) (レス) @page27 id: 9e1177ce22 (このIDを非表示/違反報告)
のんしゅ(プロフ) - 十話ごとに閑話休題を入れるつもりです。もし短編リクがあればコメント欄かボードにお願いします。 (2021年6月6日 13時) (レス) id: b8f455d9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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