じゅうごわ ページ18
「司書さんいますか？」
「……何よ」
冷たい声で資料から目を離さずに司書さんは応える。
おれだけが知っている、司書さんの本性＿＿なんて、響きだけ聴いたらなんとも恋愛的な話ができそうなものだが、その本性は見るに堪えないものだ。
恋愛的な展開が生まれてしまったらたまったものじゃない。
従っているおれが言うのもあれだが、彼女は人を脅して従属させる才能があると思う。
となるとおれは従属する才能でもあるのだろうか。
とんだ才能だ。
これでも(口に出すことすら憚られるが)一応物書きなので「小説を書く才能」とかだったら凄く喜ぶのに。
いやまぁ、自分に才能がない事ぐらいわかっているけれど。
「いえ、ただ、司書さんの計画を進めるために提案として、おれを会派から外して、そこに代替を入れてはどうかと思いまして。おれに脅されて変えたといえば司書さんは被害者になりますし」
「そうね、変えておくわ。あと、絶対に話してないわよね。本当に話したらどうなるか理解ってるわよね。彼らが絶筆するような所に潜らせてもいいのよ？」
「わかってますよ。じゃなきゃ接触を極力絶つためにこんなこと、絶対頼みませんから」
「そう、ならいいわ」
特に感慨もなさげに注意喚起だけして仕事に戻る司書さんを横目に、自分の部屋に潜る。
序でに此処にいる文豪たちの本を各一冊携えて。
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ばたん、と自分の部屋の扉を閉じる。
扉を背に一呼吸置き、落ち着ける。
よしっ、これで、これでやっと
「籠城できるぅ！」
この日のために(いつもだが)部屋は生活しやすい環境に整えてある！
……なんてのは冗談で、本当は、司書さんが来てから関わらないようにしていたから、潜書の時と、ご飯の時に絡まれる以外避けていたし、必然的に部屋にいる時間が、多くなったんだよなぁ。
こんな風に転生して、龍たちとまた会えたと思ったのに引き離されて、もうずいぶん寂しい思いをして、ここでもさらに寂しさを抱えたままで、なのに冗談いえる余力があるとは。
我ながら、くだらなさすぎて自虐的な笑いと涙がこみあげてくる。
「ははっ、いっけね、カギ閉め忘れて＿＿」
「蠟……？ 蠟、泣いているの？」
「何のこと？ てかなんで勝手に入っているの。別にいいけどさぁ、今度は龍を傷つけるよ。それが嫌ならさっさとここから離れることだね」
「ろ、蠟、」
「いいから出てけって言ってんだよ」
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のんしゅ(プロフ) - しばらく更新停止するつもりです。ほんとすみません。できるだけ早く投稿できるようにしますので、待っていてくださると嬉しいです。 (2022年2月11日 17時) (
レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
文ストファン - いつ見ても面白い！！！！！！ (2022年2月11日 14時) (レス) @page27 id: 643207991d (このIDを非表示/違反報告)
のんしゅ(プロフ) - わぁぁぁ！ ありがとうございます！ すごく励みになります！ 若輩者ですが、頑張って投稿始めようと思います (2022年1月30日 22時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
文ストファン - ヱァァァァァァァァァァァァァァァァ素晴らしい作品ありがとうございます！ (2022年1月30日 21時) (レス) @page27 id: 9e1177ce22 (このIDを非表示/違反報告)
のんしゅ(プロフ) - 十話ごとに閑話休題を入れるつもりです。もし短編リクがあればコメント欄かボードにお願いします。 (2021年6月6日 13時) (レス) id: b8f455d9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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